術中にはまってしまった

面白い企画だったので、自主企画に参加させていただいたと同時に、この企画に投稿された様々な作品を読ませていただきました。その中でも、本企画の主催者様の作品は特に面白かったのでレビューさせていただこうと思います。
とは言っても語りたいことは一つで、それはうまく作品を『見せかけている』という点です。物語は開幕からメリーゴーランドに乗った男の人が愛を叫んでいるという、これ以上ないくらいのギャグ展開で始まります。私はここでクスッと来たと同時に、「なるほど、そういうジャンルなんだな」と納得しました。しかし、それが作者様の思うつぼ、知らず知らずのうちに私は罠にはまっていたのです。そうとは知らずに読み進める中で登場するヤンキーな女の子、明らかに常軌を逸している松下という男、すべては表面的な印象に過ぎません。あなたがこの小説を読み終えるころには、前半のキャラ、展開、雰囲気というのは全て『見せかけ』で物語の本質をなぞってすらいないことに気づくでしょう……と、まあ偉そうにしゃべってしまいましたが、つまり私が言いたいのはそういうことです。素晴らしい物語だったので、星三つを送らせていただきます。

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