第7話 初夜って緊張するよね♡
え~と、つまりは特典も特別待遇も何もなしにこのよく分からない世界で100年間生き延びろ、と?
なかなかパンチの聞いたことをおっしゃるぅ。
『……ザッ…か上手く…ザザッ…ないのよね~。
ま、とりあえず頑張ってね!!バイキューン!!』
え、通信もうおしまいなん?
「ちょっとー!!神様ー!!もっしもーしっ!!ふっざけんなボケーーーッ!!」
………
……
…
えぇーーー!!
これからどうすんのさー!?
はぁ!?マジで意味分からん!!
くっ!!股間がむず痒いったらありゃしない。
こんなとこに放り出されて正常な精神を保てるやつなんていねーよ!!
冷や汗ダラダラ股間はムズムズ。
最悪の状況にとりあえず近くの木に俺はまたしても体育座りで座り込んだ。
泣いた。
あぁ、四十男がいい年こいて泣いたさ。
外見は二十歳だそうだが。
フグゥ、グスン、ヒグゥ、グズグズ、ヒンヒン。
もうどうしたらいいか分からなくてひたすら泣いた。
ひとしきり泣いてたら少しスッキリしてきた。
そーいやワ○ゥも泣いてスッキリしてたもんな。
少しクリアになってきた頭でこれからどうするかを考えた。
シャツのポッケにコンビニで買ったタバコが入ってたのでとりあえず一服。
プハァ~~~とりあえず飲み水の確保しないと。
森っぽいから湧水とかあるんじゃないの?
ってかここの世界観すら教えてもらってないよな。
木々の隙間から空を見上げると月なんかあれ?と思われる丸い惑星が見えた。
クレーターでデコボコしてるからきっと月っぽい何かなんだろうなぁ。
ちょっーちデカいけどまぁきっと月みたいなもんなんだわきっと。
よく分からない状況だけによく分からない状況すら納得してしまう。
少し落ち着いてくると喉が渇いてることに気づく。
地球と環境が同じなのか分からない状況で下手に口に入れるのも怖いのだが水だけは何とかしないと早々に死んじゃうからなー。
遂に俺のサバイバル知識をフル動員する日が来たか!!キリッ
というわけであまりうろうろせずに近くの葉っぱの夜露をペロリ。
変な味はしないから大丈夫っぽいかな。
でもこれだけじゃあ足りないよな。
さてどうすっかな。
この程度じゃどうにもならないし、川を探さないとダメよね。
よっしゃ木登りして高い所から川を探してみよう、と思ったがどのみちこの暗さだと何も見えないだろうからとりあえず明るくなるのを待つことにする。
暗い中であまり動きたくない。
何が落ちてるか分かったもんじゃないし、危険な動物が潜んでいる可能性もあるからね。
目が暗闇に慣れてきたので月?明かりを頼りに幹が太めの木を探してみた。
キョロキョロしながら静かに少しだけウロウロしてみると分かったが周囲に良さげな太さの木がニョキニョキ生えてるじゃないの。
見たことのない太さのアレにゴクリと喉を鳴らしてしまった///
枝もそれなりに太くて胡座をかいて座るくらいはできそうだが横になって眠るのは少し怖い。
寝返り打ったら確実に落ちるなこりゃ。
体を縛れそうな蔦なんてものはそうそう簡単に見つからないので今夜だけは寝るのは諦めよう。
40超えてオールとかどんな苦行だよまったく…。
とりあえず最低限の危険回避の為にコソコソと木に登った。
2階くらいまでの高さまで登って幹に背をもたれかけて腰かける。
色々と起こりすぎて疲れてるのだが神経が高ぶりすぎて眠くはない。
とりあえず明るくなるまで木から落ちないように起きてるしかないよな。
耳を済ませていると遠くからギャギャツ、ガサゴソ、ホーツクホーツクなどと怪しげな物音が聞こえる。
あぁ聞きたくない。
ボーッとしていると少し眠たくなってきた。
色々な事が短時間で起きすぎて疲れがドットコムだわ!!
あったかい布団で眠るんだろな♪って感じで横になって寝たーい!
オフトゥンが恋し過ぎるぅ(泣
とりあえず朝になって明るくなったら真剣に水場と寝床を確保しないと早々にリタイアなんてことになるかもしれない。
死んでも神様が生き返らせてくれて再挑戦!とも思ったが異世界には干渉できないみたいなことを宣ってやがったのであまり期待しない方がいいかもしれない。
今後はできる限り慎重に行動して生き延びることを優先事項としてまずは今夜を安全確実に乗り越えるしかない。
足元ヨシッ!今日も1日安全にっ!
異世界転生すぐ死ぬ!! @Chang
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