反るぐらい真っ直ぐ
naka-motoo
ONE これは恋か愛かどっちだ
フォルムが気に入ったんだ。
特に、ふくらはぎのラインが真っすぐに近い曲線で。
単に細さってことじゃなくって。
反り返るような姿勢なんだ。
「ねえ。帰りに何食べる?」
「たこ焼き」
「いいねえ」
姓名判断の占い師さんが小さなテーブルを置いて誰かの悩みを聴いているアーケードの支流で、たこ焼きを買ったんだ。
こんなんで商売成り立つのかと思ったけど、三人の先客が焼きから保温に入っている半球の鉄板から笹船にたこ焼きを乗っけて貰ってる。
「ねえ。
「さあ。訊いてみれば?」
「あの、すみません。その千枚通しみたいな道具の名前って何ですか?」
「はは。お客さん、さっきおっしゃいましたよ。そのまんまですよ」
「え?」
「『たこやきをひっくり返すやつ』ですよ」
僕はそれが冗談なのか本当なのかよく分からなかったけど、ずっと昔のホルモン焼き屋さんみたいな路地に向けた鉄板のスペースで出来上がったたこ焼きをひと舟受け取り、薄い底の熱がほんわりと伝わってくる底を僕の手の平に乗っけてふたりで爪楊枝で突ついたんだ。
「おいしいね。蓮見くん」
ああ。
おいしいよな、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます