誰かのために追い求めた強さは、少年を孤独にしていく。

 世の中には良かれと思ってやった事が、相手にとっては余計なお世話になったり、逆に煙たがられる原因となったり、または結果的に悪い方向へと事が運んでしまったりと、いわゆる『ままならない』ことが往々にしてあると思います。

 そういう世の中の理不尽さ、理解されないという孤独……そういったところで、主人公セスと読み手の間に繋がる部分が必ずどこかにあって、それが一人称視点という特徴と相まって共感を覚えやすく、セスの物語から目が離せなくなる理由の一つではないか……そう思えてきます。

 また、それらの話が締めるところはきっちり締めて、また笑いを取る場面では適度に緩めるという、話のメリハリが上手く整えられていて読みやすいというのも、この作品の魅力となっています。

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