乙女二人が夜の首都高で繰り広げるスタイリッシュガンアクション——!!

主軸は現代ファンタジーで、現実からかけ離れた異能でのバトルが繰り広げられます。しかしその一方で現実の地名を使ったり、車を細かく描写することで、重厚なリアルも感じられます。痛快でありながら、異能バトルでありがちな設定のふわふわ感がない。この絶妙なバランス感覚が素晴らしい。

また、設定をうまく【ミステリー要素】として使い、読者の関心を引き、ストーリー以外での牽引も見事。ストーリーの緩急も鋭くついておいり、さらにはそこに主人公:麗の幼少時代のトラウマなどが重なり、物語と心の動きがリンクし、最高のカタルシスを演出しています。特にカーアクションでの熱い展開は必見。(マジで! 食い入るように読み進めたので! 私もこの作品をお手本にしたいと思いました)

途中何度か「え!?」と驚かされる部分がありました。あまりに衝撃的過ぎて、続きを読んでいいのかどうか躊躇うほど。でも読み進めた先にはご褒美が待っていました。
読者を良い意味で裏切り、良い意味で裏切らない。
それが徹底できている作品だなと思いました。

あと、これは余談と言うか、個人的な趣味趣向になるので全方位向けではないのですが、《超閾者》エクスライナー、《久遠の薄明》トワイライトなど、現ファン好きの心をくすぐるルビ振りがあり、それだけでもうテンションが上がりました。他にもいろいろありますし、「これかっこよくない!?」と紹介したいのですが、ネタバレになってしまいますのでこのあたりで。続きは本編でお確かめください!

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