世界を歌った彼女はもういない

かつて間違いなくそこにいた存在の記憶。
過ぎ去り、ばらばらにほつれてしまった空間への郷愁。

懐かしさという名の感傷と、あまりにも深かった思い入れが、不在の百合という形をもって切なくも精緻な文章で綴られる電脳幻想短編です。

最後に踏み出した「私」が見る光景もまた余韻があります。