概要
死なない不死者と死んでも蘇る不死者の記憶喪失百合
肉繭を破って目覚めた『蝶々』は、『月』と名乗る不死者に世話を受け、蝶々は自分が記憶を失っている事に気づく。月によると、蝶々もまた不死者であり、大きな脳の損傷を受けて生まれ変わった為に、記憶を失ったのだという。
蝶々は月と過ごすうちに、ある事に気がついて……
タイプの違う不死者二人の記憶喪失百合短編小説
蝶々は月と過ごすうちに、ある事に気がついて……
タイプの違う不死者二人の記憶喪失百合短編小説
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!永遠を繰り返す少女と、終わることのない生を生きる女
無限に再生する肉体を持つ少女・蝶々と、死そのものを超越した不死者である女・月。
本題に入る前に、現実の蝶々の話を少し。
未熟な芋虫という形で世に放たれ最低限の感覚器のみで構成された体は、ひたすら栄養を蓄えることに特化しており、それは種としてのひとつの生存戦略ではあります。やがて成虫になるために蛹化し、どろどろの不定形な存在を経て美しい蝶々へと姿を変える。
蝶々とはそんな虫です。
このことから、ある文化圏では蝶々は霊魂そのものであり、肉体は滅んでなお魂の不滅性を象徴しているそうです。
まさに永遠を繰り返す少女・蝶々はその名の通り蝶々の化身なのでしょう。
月明かりに導かれ終わらない夜を飛ぶ…続きを読む