第14話 5月25日
飲みたい。人と会って話したい。
もともと1人でいるのも好きだから
この状況はあまり苦ではなかったのだけれど
こうも長い期間人に会わず話さず触れずという日々が続くと
私でさえも流石に苦しくなってくる。
友達に会ってカフェに行ってずっと何時間もしゃべっていたいし
居酒屋に行ってくだらない話でバカみたいに笑いたいし
職場に行って身体を動かしながら仕事したいし
可愛いものを見に買い物だって行きたい。
散歩だけでもいい。何も気にせず思いっきり散歩がしたい。
「できるけど。」
実際運動に関しては止められていないようだが、
外に出るときにはマスクをしなくてはならないし、
汗をかいてマスクをしているとなると肌荒れの未来が目に見えてしまう。
とりあえず自分でできることをということで家の中でなんとなく身体を動かす日々。
そんな中職場のお兄さんから連絡が入った。
うちのスタッフ集まれる人でリモート飲みしない?
するする!しますします!すぐに飛びついた。
そうと決まれば後は話しが早かった。
まずはなんとなくで日程を決めて、その日に合わせて買い物に行けば良い。
出来合いのおつまみは好きじゃないから自分で作る。
お酒も自分で作りたいのだが、このためにと瓶やら割るものなどを揃えてしまうと
なんとなくで毎日酒におぼれそうなのでしないようにしている。
普段は買わないものが買えるので、好きなお酒飲もう。
「旅する氷結。」
甘いお酒は普段飲まないけど、氷結は好きで、しかもこのシリーズは好んで飲む。
うちの近所のスーパーはお酒コーナーが大きく充実していて最高だ。
鮭とば、チータラ、ナッツ・・・だめだめ自分で作るのだから。
混む時間を避けた午後3時、やはり人が少なく安心する。
きっとひと缶じゃ足りないだろうし、また次回の為に多めに用意しよう。
こういう考えになると先日のように重さで後悔するのだが・・・。
何回もスーパーに行くよりはいい。
時刻はまだ3時半で日も明るく気温も高い。
南向きの窓から強いオレンジ色の光が入って来ている。
少し窓を開けて換気をしようかな。
音楽をかけて窓を半分開けておく。
早いけどお風呂には入ってしまおう。
そして軽く髪は整えて、メイクをして、寝る前に顔だけきれいに洗おう。
明るいうちにお風呂に入るとなんだか贅沢な気持ちになる。
たまにしかできないけど私はこれが好き。
シャワーも浴び保湿も済ませて、さておつまみ作ろうと冷蔵庫に向かう。
目に入ってくるのは冷えた氷結の缶。
「・・・。今日くらい、いいよね。」
ひとつ手に取り、小さな破裂音とともに炭酸が弾ける。
長いひと口。
温まった体、開けた窓からは爽やかな風と日差し、
鳥の声と人の声が聞こえてくる。揺れるカーテンに流れる音楽。
「最高。」
飲みながらおつまみ作れば美味しいものができそう。
さて、とキッチンへ向かう。
・アボカドのおつまみ
アボカドをひと口サイズに切っていく。
適当なお皿にアボカドを入れ、オリーブオイルをひと回し。
更にうま味調味料をかける(味の素、白だし、鶏がら、お好みで)。
最後に青さを多めにかければ完成
これと、あとは先日の菜の花の和え物にしよう。
始まるのは21時きっかりだからまだ時間はたっぷりある。
夕焼けの始まりから終わりまでを肴に、このひと缶を飲むとしよう。
毎日 月物語 @moontales
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