第13話 5月24日

やっぱりLINEは苦手私は

ただの文字、されど文字。


あれからも彼はLINEを送ってくれる。

私は料理や裁縫やら掃除やらYouTubeやらゲームやら

個人的にやりたいことが多く家にいるときもせわしなくなった。

時間が足りないくらい。


そんな中にLINEをする時間もかなり限られてきている。

友達はもちろんする。

楽しい話ばかりだし会いたい人ばかりだから。


しかし彼への返信は頭も使うし気持ちも使う。

返信するのにはまだ時間がいる。

とはいえずっと既読無視をするわけではなくできるだけひとつひとつ

返信はしているのだが・・・


なんせ彼の返信が早すぎる。

例えば2つの話題が行われていたとする。

となると吹き出しが2つに分割される。

1つ目を打って送信。さて2つ目の返信を・・・

と2つ目をまだ打っているときにすでに先ほどの1つ目に対する返信が来るのだ。

なのでこのスピード感でLINEをすると1分間に20通ほどの頻度になってしまい

日中ずっと携帯を触っていなければいけなくなってしまうのだ。


私はそれに疲れてしまった。


だから返信をやめた。

返信したいとき、できるときにするようにした。

日中はやりたいことをやり、夜心に余裕があるときに返信する。

ゆっくり考えられるし自分にも余裕があるから変に悩まなくていい。


でも

それを始めたころ。


「え、待って?」


夜に一息ついてLINEを開く。

すると


[メッセージの送信を取り消しました]

[メッセージの送信を取り消しました]

[メッセージの送信を取り消しました]

[メッセージの送信を取り消しました]

[メッセージの送信を取り消しました]

[メッセージの送信を取り消しました]


・・・?!

通知が来るたびに一応画面は確認していたので

何が送られてきていたかは分かっている。

確か犬や猫の写真だったはず・・・。

あー。


「見ていたら消えていった・・・」


ととりあえず返信した。

すぐに既読が付く。

そして返信もすぐに来る。


[邪魔かなと思って・・・。]


私邪魔って言ったっけな。

確かに前は一日中LINEしていてたまに電話もしていたりしたけど

今はやりたいことが沢山ある。

それにLINEが苦手なこと、やりたいことがあることも

事前に言っていたはずなのだ。

私の伝え方がいけなかっただろうか。


「私邪魔だと言ったことありますか?

 すぐに返信がなければそう思われますか?」


[感情を制御できなくてごめんね。

 どうすれば邪魔にならないか探してるの。

 でも遊びたい、構ってほしいなって。

 大型犬だと思ってね笑]


「・・・前にもお聞きしましたがもう一度聞きます。

 返信速度戻しましょうか?やりたいことがあるって

 LINEが苦手だっていうのをもう一度言いますね。」


[そうだよね・・・。ごめんね。

いまのままで大丈夫だよ。また画像とか送るね。]


・・・なんか全体的に、そうじゃないんだけどな。

私もキツイ言い方になってしまったけれど。

そもそも縛られるのが本当に嫌だから、私には自由が必要だ。

それを考えると恋愛は本当に向いていないと思う。

この人が私のどこを好きになってくれたのかがますます分からなくなった。

そしてあまりに直球で、そのまんま過ぎる行為を受け止めきれない。

蛙化現象が加速していく。


彼はきっとこの状態は我慢できないだろうな。


数日後、私はまた悩むことになるのだ。


そんなことは知る由もなく、明朝4時過ぎ、自分の隈を見つけてため息をひとつ。



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