幸福への切符、ここにあります!

 タイトルに書いた『幸福への切符』とは、嘘ではありません。昔、「この物語を読むと幸せになれる」と評判になったお話だそうです。実際に幸運を手に入れた人たちがたくさんいらっしゃったとか(詳しくは小説の概要を読んでみてくださいね)。
 『雪シネマ』━━なんて魅力的な言葉なのでしょう。興行師は狐。主人公は伝説のシネマをどうしても見たくて、霧のたちこめる雪原に迷い込みます。
 ああ、『雪電影』! このタイトルを口のなかで呟いただけで、私は作者さんの描いた美しくも不思議な世界に誘われてしまいました。そして私も主人公の僕と、僕の美人同級生のFと、一緒にシネマを見たのです。確かに『わくわくするような人生の予告編』を見たのです!
 幸せになれる物語というのは、やっぱり本当でした。だって、読み終わった時、心をふわりと包んだ楽しく温かなものは、幸福としかたとえようのない感情だったのですから。

 カクヨムで読むお話には、私的には登場人物がアニメ(あるいは漫画)で浮かんでくるものと、人間で浮かんでくるものがあります。このお話は後者でした。ストーリーも巧みで面白かったので、作者さんのプロフィールを覗いてみたところ、なんといくつもの賞を受賞してらっしゃいました。皆さん、読まないとそんですぞっ!