約100回記念特別企画 マイナー昆虫決定戦! ①Aクラス昆虫、アッセンブルッ!

 ◇Aエー光のAクラス


 一番マイナーな昆虫を決めようとしている今回のシリーズ。


 前回はルール説明で終わってしまいましたが、いよいよ本戦の開始です。


 今回はまず、超メジャーなAクラスを紹介したいと思います。

 真っ先に脱落してしまった彼等ですが、残らなかったことを名誉に思っているかも知れません。


 割と種類の多いグループは、メジャーな気がします。


 やっぱり、見掛ける機会が多いからでしょうか?


 ※昆虫の分類には諸説あります。


 ※総数は2020年現在のものです。今後増減する可能性があります。

 

 ◇ルール


 ①まず各グループをABCの三つに分け、Cクラス以外をふるい落とす。

 

 ②Cクラス内で決勝を行い、最もマイナーなグループを決定する。


 ※クラス分けの基準は、以下の通りです。


 Aクラス:昆虫に興味のない方でも知っているグループ。


 Bクラス:昆虫に多少興味のある方や、特定の業界には知られているグループ。


 Cクラス:かなりの昆虫マニアしか知らないグループ。


 ※カマアシムシもく、トビムシもく、コムシもくも、広い意味では「昆虫」です。

  ただし他の昆虫とはちょっと違うため、今回は除外します


 ◇特別ルール


 グループ自体は無名でも、有名な昆虫が含まれる場合は、ワンランクアップとします。


 例:「コウチュウもく」と言うグループが無名でも、「カブトムシ」が超有名な場合。

 →本来はCクラス相当でも、Bクラスになる。


 ※最終的には作者の独断と偏見で決まります(笑)


 ※総数(種類)の多い順番に並んでいます。

  ただし害虫軍団は苦手な方が多いため、後でまとめて紹介します。


 ※「関連シリーズ」のURLをクリックすると、該当するシリーズに飛びます。





 ☆コウチュウ目(鞘翅目しょうしもく) Coleoptera


 総数:約39万種。


 変態:完全かんぜん変態へんたい(成虫になる際、サナギになる)。


 代表的な昆虫:カブトムシ、クワガタ、カミキリムシ、カナブン、ホタル他多数。


 関連シリーズ:『彼等はなぜ光るのか?』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054883436079/episodes/1177354054883451568


 『虫が一寸とは限らない!』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054896244526/episodes/1177354054897443415


 解説:誰もが認める昆虫界のスーパースター。


 ・男児に好かれるために生まれてきたとしか思えない存在。

  オサムシやゾウムシと言ったマイナー組も、昆虫マニアに人気がある。


 ・2020年現在、昆虫どころか、全動植物の中で最も大きいグループ(もく)。

  地球はコウチュウもくの惑星と言っても、過言ではない。


 ・何と全昆虫の約4分の1が、ここにぞくしている。


 ・子供に知らない虫のことをかれたら、「カブトムシさんの仲間」と言っておきましょう。

 約4分の1の確率で当たります(笑)


 ・ただ「見付かりやすいだけで、他のグループのほうが多いのでは?」と言う説もある。


 ・前のはねが硬くなり、背中を覆っているのが特徴。


 ・「鞘翅目しょうしもく」の「鞘翅しょうし」とは、この硬くなったはねのこと。


 ・飛ぶ時は鞘翅しょうしを広げ、普段は中にしまっている後ろのはねを使う。


 ・後ろのはねが退化し、飛べなくなっている種類も存在する。


 ・あしが発達したグループで、歩くのが得意。


 ・種類が多い分、生態は非常に多彩で、世界中のあらゆる場所に棲んでいる。


 ・水の中に棲むゲンゴロウやミズスマシも、このグループのメンバー。

  ツチハンミョウのように、他の昆虫に寄生するものもいる。


 ・大きさも様々で、1㍉以下のものから20㌢近いものまで存在する。


 ・アフリカに棲むゴライアスオオツノハナムグリは、世界一重い昆虫の候補。


 ・グループ内で一番大きい(諸説あり)のは、カミキリムシのタイタンオオウスバカミキリ。


 ・樹液を吸うイメージが強いが、動物の死体を食べる昆虫もいる。

  また植物や菌類、他の昆虫を食べる種類も発見されている。


 ・人間や家畜のフンを食べる昆虫も多い。


 ・日本の奈良なら公園こうえんにも、シカのフンを食べる昆虫がいる。

  しかも、恐ろしくきれい。


 ・フンを食べる虫はかなり重要で、いないと自然界がう●こだらけになる。





 ☆チョウ目(鱗翅目りんしもく) Lepidoptera


 総数:約16万種。


 変態:完全かんぜん変態へんたい


 代表的な昆虫:チョウ、ガ(蛾)。


 関連シリーズ:『蝶サイコー!』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054884444188/episodes/1177354054884519150


 解説:チョウorガ(蛾)で待遇が変わる不思議なグループ。


 ・チョウは女子人気も高いが、ガはキンチョールの対象になる。


 ・実を言うと、チョウは2万種ほどで、ガ(蛾)のほうが圧倒的に多い。


 ・と言うか、チョウとガ(蛾)に明確な違いは存在しない。


 ・夜行性のチョウもいるし、昼間に飛ぶガ(蛾)もいる。


 ・地味なチョウもいるし、カラフルなガ(蛾)もいる。


 ・そもそもガ(蛾)の種類が多すぎて、「ガ」(蛾)の定義を決められないらしい。

  詳細は関連シリーズで説明しているので、興味のある方はぜひご覧下さい(露骨な宣伝)。


 ・昆虫の中で2番目に大きいグループ。


 ・「鱗翅目りんしもく」と言う名前の通り、「はね」が「うろこ」状のリンプンに覆われているのが特徴。


 ・ストロー状の口を持ち、花の蜜や果実の汁を吸う。


 ・ファンシーなイメージがあるが、排泄物はいせつぶつや動物の死体を好む種類も存在する。


 ・「ベイツがた擬態ぎたい」や「ミューラーがた擬態ぎたい」と言った単語は、このグループから生まれた。


 ・害虫がいちゅう樹皮じゅひ(木の皮)に似ているものや、毒のあるチョウに擬態ぎたいしているものが存在する。

  毒のあるチョウが毒のあるチョウに擬態ぎたいしていることもあり、なかなか面白い。


 ・外敵を驚かせるため、はねに目玉模様があるものも多い。


 ・幼虫が葉っぱや農作物を食べるため、害虫扱いされることも多い。

  毛に毒のあるケムシは、特に嫌われる存在。


 ・世界最大(諸説あり)のチョウは、アゲハチョウのアレキサンドラトリバネアゲハ。


 ・恐らく、プリキュアのモチーフになった唯一のグループ(Yes! プリキュア5と続編)。


 ・ただし、キュアハニーはハチがモチーフかも知れない。


 ◇幼虫。


 ・典型的なイモムシ型で、糸を吐くことが出来る。


 ・あしの数は六本だが、腹に「腹脚ふくきゃく」と言う器官を持つ。


 ・腹脚ふくきゃくはイボ状の突起で、あしと同じように使われる。


 ・葉っぱを食べる種が多いが、果実や菌類、他の昆虫などを食べるものも存在する。


 ・シジミチョウの中には、幼虫時代をアリの巣で過ごすものがいる。

  アリに世話してもらっているのに、彼等の幼虫を食べてしまう恩知らずだったりする。


 ・カイコは完全に家畜化された昆虫で、自力では生きられない。


 ・古代の中国では、カイコの作る絹を西洋に輸出していた。

  この時に使われた道が、有名な「シルク」ロード。


 ・絹糸の作り方は、中国のトップシークレットだった。

  カイコの卵を国外に持ち出そうとしただけで、死刑になったらしい。

  西洋人はカイコが吐くことを知らず、木から取れると思っていたとか。





 ☆ハチ目(膜翅目まくしもく) Hymenoptera


 総数:約12万種。


 変態:完全かんぜん変態へんたい


 代表的な昆虫:ハチ、アリ。


 関連シリーズ:『アリ得ないほど強いアリ』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054884444188/episodes/1177354054884519169


 解説:割と人間を殺しているが、それ以上にメリットが大きいグループ。


 ・何かの間違いでいなくなったら、人類が滅亡するかも知れない。


 ・多くの植物を受粉じゅふんさせ、野菜や果物を作り上げている。

  ハチミツや巣から作られるミツロウは、食品から化粧品にまで使われている。


 ・「膜翅目まくしもく」と言う名前の通り、膜状のはねを四枚生やしているのが特徴。


 ・後ろのはねにはフックがあり、前のはねふちに引っ掛かっている。

  そのため、前後のはねが一緒に(連動して)動く。


 ・基本的には飛ぶのが得意だが、はねのない種類も存在する。


 ・と言うか、アリもここの一員。


 ・昆虫の中では4番目に大きいグループで、生態は非常に多彩。


 ・実は群れで生きるハチより、単独で暮らすハチのほうが多い。

  大きな巣(TOKIOのリーダーが駆除するみたいなの)を作るハチも、結構限られている。


 ・他の生きものに寄生する昆虫も、ほとんどこのグループ。

 「ハチに寄生されない昆虫やクモは存在しない」とまで言われている。


 ・寄生バチに寄生するハチや、寄生バチに寄生するハチに寄生するハチもいる。


 ・世界一小さい(約0.18㍉)昆虫であるアザミウマタマゴバチも、寄生するタイプのハチ。

  もちろん、このハチもすごいが、このハチを見付けた人はもっとすごいと思う。


 ・毒を持つことが有名なため、色んな昆虫にモノマネされている。


 ・黄色と黒のしま模様は、自然界のフリー素材と言ってもいい。

  多くの昆虫が毒のあるハチに擬態ぎたいし、外敵から身を守っている。


 ・ハチの毒針は、産卵するためのくだが変化したもの。


 ・当然、オスは卵を産まないので、毒針を持っていない。


 ・ただし、外で働いているハチは、全て「メス」。


 ・つまり、全部刺す。


 ・またヒアリで有名になったが、アリの多くも毒針を持っている。


 ・ただし、日本で普通に見られるアリは、ほとんど毒針を持っていない。


 ・ハチにも刺さない種類がいるが、不用意に触れるのは避けたほうが無難。

  毒で死ぬことは珍しいが、危険なアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こす可能性がある。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054896244526/episodes/1177354054897345631

(『番外編』ではなく、小説の一部分に飛びます)


 ・幼虫はイモムシ型かウジ型で、肉食のものと植物を食べるものが存在する。


 ・アリは弱いイメージがあるが、実は強い昆虫(作者はアリ最強説をしています)。


 ・その証拠にボディガードとして大人気で、植物にまで雇われている。


 ・またアリの巣は安全なため、色々な昆虫が棲んでいる。


 ・コオロギやウジ、チョウの幼虫と、居候いそうろうの顔ぶれは非常に多彩。

  意外と間抜けで、アリの側には何のメリットもない(ただ利用されているだけ)の場合も多い。





 ☆カメムシ目(半翅目はんしもく) Hemiptera


 総数:約10万種。


 変態:不完全ふかんぜん変態へんたい(成虫になる際、サナギにならない。幼虫がそのまま大きくなる)。


 代表的な昆虫:カメムシ、セミ、タガメ、アメンボ、カイガラムシ、アブラムシ等多数。


 関連シリーズ:『続・色々な色』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054884444188/episodes/1177354054884519210


 『セミは本当に早死になのか?』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054884444188/episodes/1177354054884519261


 解説:間違いなく人間に一番食われているグループ。


 ・コチニールカイガラムシから作られる色素は、様々な食品に使われている。

  日本中探しても、食べたことのない人は見付からないと思う。


 ・ハチほどではないが、いなくなると結構困る。


 ・「半翅目はんしもく」と言う名前の通り、はねの半分くらい(根元のほう)が硬くなっている。


 ・一見、コウチュウもくのようだが、残りの半分は膜状。


 ・ただし、これが当てはまるのはカメムシの仲間である「カメムシ亜目あもく」だけ。


 ・セミがぞくする「ヨコバイ亜目あもく」のほうは、はね全体が膜状になっている。


 ・またカメムシ亜目あもくにもヨコバイ亜目あもくにも、はねのない昆虫が存在する。

  同じ昆虫の中に、はねのないタイプとあるタイプがいる場合も多い。


 ・不完全ふかんぜん変態へんたいの昆虫の中で、最も種類が多いグループ。


 ・生態はコウチュウもくと同じくらい多彩で、陸、海、空を制覇している。


 ・カマキリ先生が溺愛するタガメも、ここの一員。


 ・また昆虫は地球上のどこにでもいるが、海にはほとんどいない。

  しかしカメムシもくのウミアメンボは、海上で生活している。


 ・見た目も様々だが、針のような口を持つと言う共通点がある。


 ・エサの幅も広く、植物を食べる昆虫と肉食の昆虫が混在している。

  カメムシの仲間であるサシガメには、人間の血を吸う種類も存在する。


 ・サシガメは危険な病気を媒介ばいかいすることがあり、毎年結構な人数を殺している。


 ・農作物を食い荒らす昆虫も多く、基本的には害虫扱いされる。

  植物を弱らせ、病気の原因にもなるアブラムシは、ガーデニングの大敵。


 ・反面、肉食の種類は害虫を食べるため、益虫扱いされることもある。


 ・「ラック」カイガラムシは、「ラッカー」と言う塗料の語源。


 ・はねが透明じゃないアブラゼミは、かなりレアなセミだったりする。


 ・悪臭と言うイメージがあるが、アメンボは甘い匂いがする。



 長くなったので、今回はここまで。


 本当は一気に紹介しようと思ったのですが、Aクラスだけで1万字オーバーになってしまいました(笑)

 さすがに長くなりすぎなので、何回かに分割します。


 次回は引き続き、Aクラスの昆虫たちを紹介します。

 このペースだと、全10回くらいになっちゃうかもなあ……。



◇参考資料


 徹底図解 昆虫の世界

 岡島秀治監修 (株)新星出版社刊

 

 昆虫の誕生 一千万種への進化と分化

 石川良輔著 (株)中央公論社刊


 ※その他、過去に作者自身の書いたものを参考にしています。

  当時参考にした資料は、各回をご覧下さい。

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