セミは本当に早死になのか?
※文末に今回の「まとめ」を掲載しています。
読みにくい文章に耐えられない方は、一番下まで画面をスクロールさせて下さい。
『
日本の夏には、様々な風物詩があります。
一般的には花火や海ですが、薄い本と答える方も少なくありません。
そしてまた忘れてはならないのが、高らかに鳴くセミです。
意外かも知れませんが、セミはカメムシ
カメムシ
カメムシ
ご
2017年現在、セミは3000種ほど発見されています。ただし、都会で見られる種は僅かです。ツクツクボウシやミンミンゼミがいないわけではありませんが、目に入るのはアブラゼミばかりです。
日本人にとって彼等は、特に意識することのない昆虫です。
ヘビロテされる鳴き声に、
その実、
現にミンミンゼミもツクツクボウシもヒグラシもクマゼミも、
「アブラゼミ」と言う名前は、「鳴き声が油で炒める音に似ている」ことに由来します。ただし、「
よく知られている通り、セミが鳴くのは異性にアピールするためです。
ただし、ラブコールを発するのはオスだけで、メスは鳴くことが出来ません。
鳴く虫と言えば、スズムシやコオロギも有名です。
彼等もまた求愛のために鳴く昆虫で、季節を告げることもセミと共通しています。
とは言え、夏の風物詩と秋の風物詩とでは、音を出す原理が全く異なります。
スズムシやコオロギは、
一方、セミの鳴き声を生み出しているのは、腹です。
セミの腹の中には、
セミは
四六時中響き渡る鳴き声は、騒がしいの一声に尽きます。
神経質な方は、窓を開けて寝られないのではないでしょうか。
一方で彼等には、儚いイメージもあります。
騒々しい合唱が響き渡るのは、夏の間だけです。
秋の訪れと共に、セミの鳴き声はぱったり聞こえなくなってしまいます。
また彼等が短命と言われることも、もの悲しさを感じる理由でしょう。
限られた時間の中で、精一杯声を張る姿は、健気と言う他ありません。
世間一般的に、セミの寿命は一週間と言われています。
実際、夏の路上にはセミの死骸が大量に落ちています。秋には鳴き声が聞こえなくなる以上、長生きでないことは間違いないように思えます。
しかし、セミは幼虫から成虫に
多くの方が知っている通り、セミの幼虫は土の中で暮らしています。
人目に付かない分、成虫になるまでの時間はあまり知られていません。
とは言え、カブトムシやクワガタの幼虫は、1年弱で成虫になります。
同じ昆虫である以上、セミも幼虫でいる時間は長くないはずです。
――と思ったら、大間違いです。
アブラゼミの幼虫は、6年から7年も地中で過ごします。
しかも彼等は、特別な存在ではありません。
数年間も地中で暮らしているのは、他のセミも一緒です。
特に「
彼等は体長2、3㌢ほどの小さなセミで、北米の東部に棲息しています。
あまりに長い寿命は
その数と言ったら、1㍍四方に40匹と言うから驚きです。
しかも限られた範囲に集まる習性があり、なかなか移動しません。
奇妙な生態を持つ彼等は、日本でも知られた存在です。
ただ、一般的なイメージと実像には、微妙なズレがあるようです。
まず羽化するまでに17年掛かると言っても、17年に一度出現するわけではありません。
彼等には幾つかのグループがあり、それぞれ発生する年が異なります。
あくまで
実のところ、17年周期で現れるセミは、それほど珍しい存在ではありません。17年間の内、12年は姿を現します。逆に13年周期のセミはレアで、13年間の内、3年しか現れません。
誤解と言う点では、大発生にも同じことが言えます。
確かに数は多いですが、セミが出現する地域は、グループによって決まっています。そして他の場所には、全く姿を見せません。つまり地域の限られた大発生で、アメリカ全土に出現するわけではありません。
定期的に大発生するセミは、住民にとって厄介な存在です。
大音量の合唱は、簡単に人の声を掻き消してしまいます。
大量のセミに
さすがに彼等ほどではありませんが、アブラゼミの幼虫も充分に長生きです。
ただし、成虫の寿命は2週間程度と言われています。
早死にと言うイメージを持たれているのは、先ほど書いたようにやたら死骸を見掛けるためでしょう。また
考えようによっては、セミは他の昆虫より悲惨かも知れません。たった2週間飛び回るためだけに、暗く狭い土の中で6年間も耐えなければならないのですから。
◇今回のまとめ◇
☆セミはカメムシの仲間。
☆
☆「アブラゼミ」と言う名前は、「鳴き声が油で炒める音に似ている」ことに由来する。ただし、「
☆セミはオスしか鳴かない。
☆セミの鳴き声は、腹の中にある膜から出されている。
☆アブラゼミの幼虫は、6、7年間も地中で過ごす。
☆ほとんどのセミが、数年間は幼虫の姿で過ごす。
☆「
☆
☆
☆
参考資料
素数ゼミの謎
吉村仁著 (株)文藝春秋刊
虫の呼び名事典
森上信夫著 (株)世界文化社刊
徹底図解 昆虫の世界
岡島秀治監修 (株)新星出版社刊
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