箸休め 虫が一寸とは限らない! ①世界一長い昆虫は不完全な変態
※文末に今回の「まとめ」を掲載しています。
お時間のない方は、一番下まで画面をスクロールさせて下さい。
『JCファーブルの空想特撮昆虫記』には、人間の頭ほどもあるハエが登場します。
さすがに現在の地球に、これほど巨大な昆虫はいません。
しかし世界には、ビックリするほど大きな昆虫が存在します。
◇一番長い昆虫はナナフシ
世界最大の昆虫に付いては、いくつか候補があります。
単純に体長が最も長いのは、ナナフシの仲間です。
ナナフシはナナフシ
日常的に見掛ける昆虫とは言えませんが、日本にも19種類ほど棲息しています。
見た目は小枝にそっくりで、植物の葉っぱを食べて生活しています。
飛べるナナフシもいますが、
◇カマキリより多い!?
ナナフシは有名ですが、頻繁に見る昆虫ではありません。
ただ意外なことに、総数(種類の数)自体はカマキリ
さすがにチョウやハエほどではありませんが、カマキリは都会でも割と見る昆虫です。
しかし総数は意外と少なく、現在までに約2400種類しか発見されていません。
しかも国内に棲息しているのは、わずか9種類だけです。
余談になりますが、カマキリ
またナナフシ
◇
ナナフシ
種類自体は少ないのですが、
ナナフシが小枝そっくりなのも、捕食者の目を
また敵に襲われた場合は、自ら
幸い切り離した
ただし元通りになるのは若い内だけで、大人になった後は二度と再生しません。
◇ナナフシはサナギにならない
「大人」と言ったように、ナナフシは幼虫から成虫に
ただし、カブトムシやチョウと違い、幼虫と成虫はほとんど同じ姿をしています。
また幼虫から成虫に変化する過程で、サナギになることもありません。
何回か脱皮するだけで、大人になってしまいます。
このように成虫になることを、専門的には「
◇
また何回か脱皮するだけで、サナギになることもありません。
ナナフシの他にも、バッタやカマキリなどが
セミやトンボも、
セミやトンボの場合、幼虫と成虫は全く別の生き物のように思えます。
ただ、よ~く見てみると、顔は成虫によく似ています。
◇
一方、チョウやカブトムシが採用している方式は、「
また成虫になる過程で、サナギになることも特徴です。
チョウやカブトムシの他にも、ハチやハエがこの方式を採用しています。
またカブトムシ以外のコウチュウ
実際、イモムシやウジは、チョウやハエには全く似ていません。
珍味として食べられる
◇昆虫の大半は
2020年現在、昆虫は100万種以上発見されています。
最大のグループは、
昆虫どころか、全動植物の中で最も種類が多く、現在までに約39万種確認されています。
2位はチョウ
4位も
一方、
この点を考慮するなら、「昆虫の大半は
◇
ただ先に出現したのは、
また昆虫には28個のグループ(
具体的に言うと、15種類のグループが
残り二つのグループはちょっと特殊で、
脱皮はするのですが、子供も大人もほぼ同じ姿をしています(一生姿が変わらない)。
◇世界最長の候補たち
2020年現在、世界最長と言われるナナフシは二種類存在します。
一種類目が、2008年に発見された「チャンズ・メガスティック」(チャンオオナナフシ)です。
東南アジアのボルネオ島に棲息する
彼等はとてもレアな昆虫で、今までに三匹しか発見されていません。
最大の個体は標本にされ、ロンドンの
標本を提供したのは、マレーシアの
「チャン」ズ・メガスティックと言う名前には、彼への感謝が込められています。
二種類目は、2014年に見付かった「フリーガニストリア・チャイネンシス・ツァオ」です。
こちらは中国に棲むナナフシで、
◇記録が更新されるかも?
昆虫は地球上で最も種類が多い生き物ですが、まだ全てが発見されたわけではありません。
その証拠に、毎年3000以上の新種が報告されています。
世界最長の記録が塗り替えられる日も、そう遠くはないでしょう。
長くなったので、今回はここまで。
次回は「世界で一番重い」昆虫を紹介します。
◇今回のまとめ
☆2020年現在、世界最長の昆虫はナナフシの仲間。
☆ナナフシは葉っぱを食べる昆虫で、現在3000種ほど確認されている。実はカマキリ(約2400種)より多い。
☆カマキリは意外と少ない。国内には約9種類しか棲息していない。
☆葉っぱにそっくりなコノハムシも、ナナフシの仲間。
☆ナナフシ自身も、小枝に
☆敵に襲われたナナフシは、自分の意思で
☆ナナフシの幼虫と成虫は、ほとんど同じ姿をしている。また幼虫から成虫になる際、サナギになることもない。何回か脱皮するだけで、成虫になってしまう。
☆ナナフシのように成虫になることを、「
☆セミにバッタ、カマキリやトンボも、
☆チョウやカブトムシは「
☆
☆ハエやハチも
☆2020年現在、昆虫は100万種以上発見されている。
☆一番多いのはコウチュウ
☆2位はチョウ
☆
☆一方、採用しているグループの数は、
☆先に現れたのは、
☆世界で一番長いナナフシは、2008年に発見された「チャンズ・メガスティック」。ただし、2014年に見付かった「フリーガニストリア・チャイネンシス・ツァオ」と言う説もある。
◇参考資料
ぼくらはみんな生きている!
ヘンで奇妙な昆虫図鑑
丸山宗利監修 (株)日本図書センター刊
徹底図解 昆虫の世界
岡島秀治監修 (株)新星出版社刊
ビジュアル 世界一の昆虫
リチャード・ジョーンズ著 (株)日経ナショナル・ジオグラフィック社刊
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます