悪霊狐の異世界侵略譚? いいえ、和洋折衷ほのぼのシリアス冒険譚です!

  • ★★★ Excellent!!!

その世界では、長らくダークエルフが他種族たちを支配し続けていました。
強力な縦社会を作り上げたダークエルフ。その治世は安寧そのもの。自分たちを脅かす存在なんて、いるわけがない。彼らはそう思っていました。
そんな世界にひょっこり現れたのが、白狐にして祟り神の楽市——
彼女は、愛らしくも恐ろしい妖しの幼女たちを引き連れ、ダークエルフの世界を侵略し始めます。
彼女の仲間を守るため、虐げられてきた者たちを救うため。
ダークエルフたちは、楽市たちの快進撃にやがて脅威を感じ始め——?

一見、異世界を侵略している楽市たちが悪く見えてしまうこの物語は、そんな彼女たちの視点で話が進んでいきます。
先程『一見』と書きましたが、私はぜひ皆さんに「どちらが悪か?」を問うてみたいです。
楽市は祟り神。侵略の方法は瘴気をまき散らしたり、アンデッドたちを跋扈させたりと、実に祟り神らしいやり方ですが、それによって救われる人たちも確かに存在します。
対するダークエルフたちにもまた、守りたいものがあるでしょう。ですがそのために、禁忌とも呼べそうな手段を用いていたりするのです。
どちらが悪か。どちらが正義か。この作品が最終的にどんな答えを出すのか、私はとても楽しみにしています。

と、堅苦しいことをたくさん書きましたが、この物語の最大の推しポイントはほのぼのとシリアスの共存!
シリアス全開の展開か!? と思いきや、ふっと和める一文やシーンがやってきて、そのたびほっと息がつけるし微笑ましいです。
楽市と彼女の周りにいる妖しの子供たちや、どんどん増えていく様々な仲間たちも、掛け合いの中で本当に良い味を出すんです。
私は仕事で疲れた一日の癒しにしておりました。息抜きにもおすすめです!

皆さんもぜひ楽市たちと一杯考えて、一杯和んで、作品の世界にどっぷりはまり込んでください!

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