少女の孤独と教師の苦悩

　早熟で未熟な、思春期特有の危うい色香を放つ少女の、繊細な感性と才能ゆえの孤独。そして、彼女の才能を見いだしてしまった教師の苦悩。

　描かれていることは、じつはとてもシンプルなのですが、端正な筆致によって、どこか静謐な透明感に包まれながら、とても重厚な物語に仕上げられています。

　教師も生徒も身勝手でわがままで、途中それぞれに『うわぁ』となるかもしれませんが、ぜひ最後まで読んでみてください。冒頭の印象がラストでくつがえる……かもしれません。どうぞご自身の目で、二人の人生と物語の行く末を見届けてください。