油断も隙もない筆致

一見して怖さは感じない。
ぐさっときて、ざくっと差し込む痛さはない。
文体は泉鏡花。
穏やかで、緩慢で、緩やかな景色の中に――秋田の見る景色の中に――凛と立つ桜子。
穏やかでもなく、緩慢でもないのは秋田先生の内面です。
世界に絶望した桜子に、つめよられ、秋田先生はどうこたえるのか。
クライマックスを越えて、その感動の結末をご覧あれ!

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