バッサリ、贅肉の切り落とされた表現

ただ読んでわかるという小説ではありません。
「筆致は物語を超えるか【葉桜の君に】」自主企画参加作でして
共通のあらすじで小説を書こうというもの。
自主企画参加作の多くは1万文字以上費やしているのに
本作は6000文字です。
読者の想像する部分が大きくなっています。
嫌いじゃありません、こういうの。

中学二年の桜子。
同級生の春太、それに担任教師の秋田先生。
桜子は詩作が得意で作家になれといわれたりするけれど
素直に受け入れられるほど純粋ではありません。
両親ともうまくいっていない。
高校二年の時には春太とも決別。

それでも秋田先生の言葉があって
高三で賞に応募し結果を待ちます。
ラスト、暗く湿った所から明るくふんわり風が吹いているような世界が開けます。

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