最終話 海の向こうにへの応援コメント
喪失からの虚無、死者を思うが故に停滞する心。重苦しさと閉塞感のある描写が続いたあと、すれ違いを重ねつつも気になる相手が(勘違いとはいえ)危機に瀕したさいに素直な気持ちに気付く。
そして最終話の海に向かっての決別ではなく区切りである言葉から、これはあるひとりの少女の再生の物語だったのだなあ、などと思いました。
ふたりの道行きが幸せであることを願わずにはいられません。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
うぉーけん様
こんにちは。
おっしゃる通り、これは惠美と槇子が互いを通していかに魂を再生させていくか、もっと俗っぽく言えば気持ちを整理していくか、を主眼において書いてまいりました。
しかし惠美をどうやって立ち直らせるか、色々悩みました。特に最後の海岸ではどのように動いてもらうか決まらず、悶々としたのを覚えております。
二人はきっとこのコロナ禍にあってもいちゃいちゃして過ごしていることでしょう。
またのお越しをお待ちしております。お気が向いたら「偽りの星灯火」も!(相当に図々しい)
それでは。
第28話 君といつまでもへの応援コメント
すっかり仲良くなっちゃって……よきかな
作者からの返信
コメントありがとうございます!
うぉーけん様
こんにちは。
もういちゃいちゃですね。べたべたですね。
二人とも結構な苦労をしてようやく叶った恋ですから、これくらい甘々な話も書いていいかなと思った次第です。
またお気軽にお越しくださいませ。よろしければ番外編も!(ちょっと図々しい)
第27話 愛への応援コメント
罪からの愛。タイトルの流れからのシチュエーションが素敵です。
死者は生者が永遠に叶わぬ死という概念をもって生者を過去にしばりつけますが、関係性を未来に向けて変化させるのは生者にのみできることですものね。
でも最後にオチがつきましたねw
作者からの返信
コメントありがとうございます!
うぉーけん様
こんばんは。
実は書く時は全くノープランで……
「車内で会話して愛を確かめ合う」くらいしかなかったのですが、二人を会話させるうちに、あー、こうすればいい、ん-こうするとぐっとくる、とか練り練りしていくうちに「罪」というフレーズが生まれたのです。そうしたら次の話は「愛」だなあ、と。
惠美はようやく槇子への想いのおかげで未来へ面を向けることができる様になりました。しかしその槇子は……倒れた。
まさか毎日終業後深夜までまんじりともせず惠美からのメッセージを待っていたのでしょうか。だとしたら残念女子いやアラサーですねw
またのお越しをお待ちしております。
第19話 白真弓への応援コメント
過去に縛られざるをえない悲しさとそれでも募っていく思いが切ないですね……。
寺カフェという静かそうな憩いの場で添えられる和歌が雰囲気ぴったりです。
次章は心して読まねば。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
うぉーけん様
こんばんは。
自分は誤っていたのではないかと気づきつつも、それでも多喜への想いと槇子への思慕で心に嵐が吹き荒れる惠美の心情に思いをはせて下さったことに感謝いたします。
過去の記憶しかない今は亡き多喜。
思い出しか残されていない自ら拒絶した槇子。
いずれもある意味では、この二人との関係に未来という「変化」がない以上、二人は惠美の心の中に固着した不変の存在となり、それを「石辺の山」にかけてみたつもりです。永遠に消えることのない痛みを伴う記憶に苛まれる惠美を表してみたかったのです。
でもちょっと無理があったかな……
次章10月24日、第二十話「燃え盛る炎」、ご期待下さい(70年代ドラマの予告風の語り口で、声は中江真司とかがいいですね)。でもそんなに肩に力を入れずお読みくださいませ。ご期待にそえるかどうかいささか不安ではあります。
またのおいでをお待ちしております。お気軽にどうぞ!
第11話 裏切りへの応援コメント
三か四角さんのところからフォローを辿ってこちらに来ました。
同じ人を亡くしたが故に出会えたふたり。幸福なままでいられたのならけっしてあり得なかった関係性が、地の文での独白で吐き出される感情の寂寥感と喪失を強く意識させます。
失った先にあるものはなにか。他の方もコメントされておりますが、百合だからこそ描ける関係性ですね……。
甘味の名称ひとつすら物語の情景を彩っているのが心にきます。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
うぉーけん様
こんばんは。
三と四角さんがファンだと仰っているうぉーけん様ですね。あと、振動剣のお話もちらっとうかがいました。
誰かの死を前提として、周囲の者を描くやり方は押井守的なんだそうです。拙作も、もう一つの作品の「偽りの星灯火」も、一人の少女の死が物語のきっかけになっています。実は全く意識していませんでした。「ユンカース・カム・ヒア」というアニメの評論をしたサイトに前述のようなことが書いてありどきりとしたのを覚えています。
もっとも、参考としたものは何かないのか? と問われればPS・PSPのゲームソフト、「雪割りの花」は多少影響を受けたかもしれません。
最初は序盤から二人が手に手を取って支え合う展開を考えていたのですが、恐らくうぉーけん様が受け止められたとおり二人の喪失感と死者への愛が強すぎて、新しい相手、新しい恋に踏み込めない話に変わっていきました。
独白、特に惠美のそれはうつ状態で精神的に荒廃した彼女の心象を意識して何かに投げつけるような言葉を選びました。それに惠美、素の言葉は少し荒いんです。
>失った先にあるものは何か。
それはうぉーけん様の目でお確かめいただけましたら望外の喜びです。
>甘味の名称ひとつすら物語の情景を彩っているのが心にきます。
お褒めのお言葉を頂戴しありがとうございます。丸一日かけて考えた甲斐がありました。
またおいでいただければ幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
あとがきへの応援コメント
惠美と槇子がわかりあうまでの葛藤をかなり丁寧に書いていらっしゃいましたね。『二股になるけれどもどうしても忘れられない』、それが人間らしさなんですよねきっと。完璧な人間を愛でるエンタメと、泥臭い人間味で共感するエンタメ。私は両方好物ですが、自作ではどうしても後者になってしまいます。いわゆる恋愛ものは書いたことがないのですけど、「恋人がいる人を好きになっていいの?」とキャラクターが言えば「そんなのあたりまえじゃん」って片方に言わせちゃう気がします。感情は作られたものじゃないし、政治家が議決して条文を発布するものじゃないですもん。
あと、最初にコメント差し上げたエピソード。惠美の描写。
>それでもドラマで見たり、実際に自分の家族が先祖の墓参りした時のように『また来るね』なんて言う気になんてとてもなれない。ばかばかしい。一体誰に言ってんだそれ
すみません。引用しましたが、この部分がぶっ刺さりました。私は墓参りのことじゃなく別のことについて同じようなことを思っていたので、かなり強めに直球に言葉にした惠美に「よく言ってくれた!」と思いましたね 笑
作者からの返信
コメントありがとうございます!
三か四角様
こんばんは。
惠美と槇子の恋が成就するにあたって、最大の障害は二人の多喜への恋心でした。かつての最愛の人が新たな恋の障壁であり、二人が多喜への想いをいかにして昇華させるかがテーマになってくる…… と、いつものごとく序盤を書きながらあらすじを思いつきました。
「そんなのあたりまえじゃん」という代わりに、惠美はさらに一歩踏み込んで「(多喜を忘れることが)出来なかったら無理やりにでもこちらを向いてもらいますから」と強引なことを言っちゃう訳です。かなり強気な性格ですね惠美って。
最終的には槇子は未だ完全には多喜への想いを整理しきれていないようですが、きっと惠美ならそんな槇子を支えて変えて行けるだろう、といった終わり方にしました。
完全無欠の人間なんてほとんどいないように、完全無欠の物語もどこか浮世離れしたものになってしまいそうで、私には書くことはできそうにありません。
引用下さった惠美のモノローグは、精神の荒廃した彼女の苛立ちや絶望感を表していて、そこから「ここには何もないし、誰もいない。生きている者は一人だっていやしない。」との虚無感や悲しさに繋がってくるかな、と書きました。
別件で類似する事項があったようですが、いずれにしても同意していただけたようで嬉しいです。
それでは、またのお越しをお待ちしております!
編集済
番外編二 告白 ―― ナセル ――への応援コメント
人が幸せになるのってハードル高いよなあと思いました。多分、お金があるのは最低条件必須で、嫌なことの比率よりも1ミリでも幸福が上回っていればいいんかなあ。とかくこの世界線の女性たちは大変だと思う。正々堂々生きようとしたって社会が良しとしないから、自分たちのことを誰かに説明する時に口籠ってしまうのですね。ここと並行して書かれた星灯火は、『相手』が人間ですらないという、さらに上のハードルを飛び越えていく物語なんですね!へんてこな感想ですが、これを読み終えて星灯火の深さが増したような気がします。ありがとうございました。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
三か四角様
こんばんは。
そうですね。これは幸せになりたくてもなかなかなれなかった人たちの物語なのかも知れません。
最後に、紗子も自分の性的指向を自身が受け入れる決意を見せたことで、ようやく幸せを手に入れる「条件」のひとつを手に入れる事が出来たんだと思います。
これが「偽りの星灯火」の島谷伊緒ですと、ガチなメカフェチかと思いきや、それを人間と全く同等に愛するという、実に突き抜けた人物なんですね。
ただ、こういった方は実際にいるようで、新聞で読んだ時は驚きました。もっとも、その「お相手」は往年のロボット特撮のマッハバロンそのものでした。現状ではモックアップの段階のようです。
その「星灯火」について、アンドロイドに心はあるのか、愛するに足る存在なのか。それがどこまで書けたかと思うと、力及ばぬところばかりが目立ってしまいますが、深いと言っていただき誠に恐縮です。今はまだ脳内で混沌とした状態でドロドロとしている後日譚はもっといいものでお目にかけたいです。
それでは、またのお越しをお待ちしております。
番外編二 告白 ―― 三回忌 ――への応援コメント
読んでいて思ったのは、同性愛ってやっぱマイノリティなんだなという事実です。私自身は恋愛にあまり関心がなく、増してや他人の恋愛は飯の種にはならないので(自分に関わらなければ)同性愛に対して思うところはないのですけど、私より上の世代は受け付けられないのだと経験から感じます。私の親とか想像すれば、私が同性と結婚するとか報告しようものなら考慮もせず怒りだすでしょうw 間違いなく。現在でこそこの話題について持論を述べる政治家なんかが叩かれている世の中だけど、私より上の世代はそういう社会じゃなかったのでしょうね。
星灯火、そしてこの物語と百合小説が続いて、長倉さんがそこを意識なさっているのかはわかりませんが、同性愛を『きれいでキャッチーなもの』としてとらえるエンタメがある中、当事者の心情を真っ向から描くこのスタイルは、私の中では長倉冬青という作家の核みたいなものに見えていて、長倉さんが発信できることだなあとここまで読んでいてすごく思いました。
あ、これ、レビューで書けばよかったかな w
作者からの返信
こんばんは!
コメントありがとうございます!
三か四角様
不思議なことに、私はLGBTに対し(おそらくほかの異性愛者よりは)不思議な共感を持っているように感じています。
ただし、私は異性愛者である以上、男性の同性愛の恋愛観に真の意味で共感することは不可能でしょうし、異性の同性愛については何をか言わんや、と言えます。
ですから、当事者ではない私が軽々にこの「共感」についてLGBTの人に語っても反発や嫌悪感をもって迎え入れられるだけでしょう。私にできることは、遠くからそっとささやかながら手助けをする程度なのかも知れません。
この何だか得体の知れない共感の他にも、私には一つの理由があって女性の同性愛に目が向いていると考えています。
実は私は自身の持つ男性性に強い嫌悪感を抱いています。
お恥ずかしい話ですが、私は業深いほどに性欲が強く、それは常に女性を欲望の対象として強く意識してしまうことを意味します。それが非常に嫌なのです。また男女の行為ともなれば、男性が女性に対し侵入するという、極端に言えば「侵略」行為でもあります。これにも強い嫌悪があります。
この自身の業への嫌悪感から逃れるために、女性の同性愛を舞台に上げることで、私は自身の現実から逃避をしているのです。男性を描かないで済むのでそこに自分と同じような性欲や行為はありませんから少しは心が安らぎます。
考えてみれば、私自身が私自身の持って生まれた性に強い嫌悪を抱いている辺り、Xジェンダーに近い何かなのかも知れませんね。
あー、何と言うかある意味これも「告白」、ですね(苦笑)
結局男性性への嫌悪感からBLは些か難しいと感じています。やはり書いていくならGLや百合と言われるジャンルになってくるかと思います。
今連載しているお話は異性愛なんですが、筆が乗らないのは百合じゃないからか…… いやそんなことはないよなあ(汗)
>当事者の心情を真っ向から描くスタイル
ありがとうございます! ありがとうございます!
そこまで言っていただけるとは、長倉はまっこと果報者にございます!(大袈裟ではないです)
強く意識はしていなかったのですが、一つ二つは必ず心情の吐露やぶつかり合いを描きたいなあ、と考えながらお話を書くことが多かった気がします。
考えてみればこれが一番やりたかったことなのかも知れません。
これからもこの姿勢を崩さないように精進したいと思います。
またむちゃくちゃ長文を書いてしまいましたが、どうぞよろしくお願いいたします。
またのおいでをお待ちしております!
第11話 裏切りへの応援コメント
操立ての程度は個人の主義ですからの~
惠美が正しい正しくないは論じないですけど、真面目なのは伝わってきますわ。
自分しかジャッジする者がいなくても厳しく律している……
作者からの返信
おはようございます。
山川海のすけ様
お読みいただいて応援とコメントまで! ありがとうございます。
惠美の中では多喜も、多喜への愛もまだ完全には死んでいないのです。(私自身は霊魂というものを信じていませんが)多喜の魂というか「残留思念」のような何かが、惠美の中でずっと胸につかえているのです。
そのせいで惠美は他者を、槇子を受け入れることができないでいます。
その辺り巧く描けていなかったので、ずっともやもやしてました。ああ、もっと上手に表現できていたら、と思うこともしばしばです。
でも惠美の真面目さ(生真面目さ?)が伝わっていただけたのはとても嬉しいです。良かった。
どうぞまたおいで下さいませ!
第9話 微笑む心への応援コメント
ご挨拶に伺いつつ、本作を拝読させていただきました。
ぶっちゃけ、百合に関しては守備範囲外なんですけど、愛情を巡る物語として読めば問題なく読めました。
死んだ恋人の死の原因が気になりますし、ヒロインに片思いをしていた従姉妹のお姉さんと、主人公の今後の関係性が気になります。
これ、ストレートの異性愛だと、成立しませんしね。死んだ恋人(女)に片思いをしていた従兄弟の青年と、主人公(男)の今後。
普通に考えると友情しか生まれないですが、百合関係ならそれ以外に新しい伴侶という道が出てきますから。
話の幅みたいなものを感じました。
作者からの返信
こんばんは。
山川海のすけ様
拙作をお読みいただいた上に応援や応援コメント、評価までいただき誠にありがとうございます。感謝の念に堪えません。
多喜の死の原因についてはここではうまく説明して差し上げる事が出来ないのですが、ラスト近くと「番外編(一)翳(かげ)」にほのめかしのようなものがあります。
惠美と槇子がどうなるのかについては…… これはもちろん秘密です(笑)
私は使えるかどうかは別として、15~6の百合物のネタをストックしてあります。ところがこれ、多くの場合異性愛や友情もので充分成立するものなのですね。
山川海のすけ様が看破なさったように、拙作は恋愛ものにするならどこかで同性愛を絡めないといけない設定になっています。なのでちょっと背伸びして恋愛ものに挑戦してみた次第です。
お褒めいただき光栄です。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
またのお越しをお待ちしております!
第1話 雪の降りたるはへの応援コメント
文体が儚く、そしてとてつもなく優しい。素敵な文章です。
作者からの返信
お読みいただきありがとうございます!
@comsick様
拙文への初めてのコメントありがとうございます!
これ以上はないほど嬉しいコメントをいただき誠にありがとうございます! 泣くほど嬉しいです!
お気に召していただけたのでしたら、今後ともどうぞよろしくお願い致します。
番外編二 告白 ―― ナセル ――への応援コメント
心の通わせ方は人により違っていて、なのに時代や周りから求められる『像』によってままならない。語られる独白から苦悩がうかがえます。
幸福とはなにか、と思わずにはいられませんね。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
うぉーけん様
こんばんは。
紗子の苦悩はいつか書いてみたいと思っていたので、早いうちにそれが叶えられてよかったです。
性差なく愛したい人を愛せる。そんな時代になることを祈っています。これは人の根源的な幸福のひとつだと思っています。
もっともそれを実現するには大変な困難が立ちはだかっているのでしょうが…… 人の差別と悪意と憎悪と蔑みの恐ろしさは底知れないものがあります。
どうぞまたお気軽にお越しくださいませ。