「夫婦銀杏の怪異」と緩やかに膨らみゆく恋心

夫婦銀杏の木にまつわる「本当の秘密」が明かされたとき、繭子に訪れるものは…。

作者様の綴られる男性陣が頼もしく魅力的で、作品の時代背景を生きる人々が清々しく綴られます。

恋愛模様も、緩やかでとても誠実です。
キャラの心情描写が巧みで、読み手に伝わる繭子の想いに共感しながら、戸惑いや恐怖心に時々ひやりとさせられます。

静謐な情景描写の中に散りばめられた伏線が、生き生きと回収された時の安堵感には作者様の力量を感じずにはいられません。

繭子に関わる青年との恋模様、そして「銀杏の怪異」の行方を楽しみに追わせていただきます。