爽やかに少女の恋と選択を描く

少し情けないところのある中学教師が、1人の生徒の進路に向き合うお話。
私、筆者が女性だとずっと思っていたのですが、それは本作品でもそうですが、細やかな人物描写で等身大の少女を爽やかに描けるからだと思います。大人の男の人が書いた少女に違和感を感じたことありませんか。それが不思議とこの作品にはないんです。
つまりヒロインにリアリティがあり、年齢相応であり、小説を引っ張るだけの魅力がある。けっこう難しいと思うんですが、自然体で描き、読了感よくまとめているのは本当に尊敬です。
青春ものに分類できると思います。柑橘系の匂いは大人の嫌な臭いを消して最後に青空を見せてくれるような作品でした。短いのでぜひ読んでみてくださいませ。

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