それから、ミトラはムスタファーに言いました。「ここで、死についてお話しいただきたいです」

 ムスタファーは彼女に言いました。

「あなた方は、死の秘密を知りたいと思っています。けれども、もしせいの心の中でその秘密へと向かわないならば、どうして秘密を見つけ出すことができるでしょうか?

 なぜなら、暗闇の中でのみ両眼を開くフクロウは、昼の光が見えないフクロウは、光の秘密を覆い隠しているその覆いをはずすことができないからです。

 もしあなた方がしんに死というものの魂を見たいと欲するならば、あなた方の心の扉を、生という昼へ向けて開きなさい。

 なぜなら、生と死は同じ一つのものであるからです。川と海が同じ一つのものであるように。

 あなた方の欲望、願望の奥底では、物言わぬ知識が、生の背後にあるものに存在しているのです。

 雪の下で種たちが静かに春を夢みているように、あなた方の心もまた、春を夢みているのです。

 それゆえ、あなた方がその夢へ寄せている信頼を、確かなものにしなさい。その夢の中には、永遠への扉が隠されているからです。

 あなた方が抱えている死への恐れは、王の前に立っている羊飼いのおののきにとてもよく似ています。その王は、羊飼いに充足、そして誇りある勲章を授けて、懇ろにもてなそうといって、右手を持ち上げています。

 羊飼いはそのおののきを喜ばないでしょうか? 彼の主人は羊飼いに栄誉ある勲章と充足を首飾りとして首にかけてくださるのですから。

 それにもかかわらず羊飼いは、自身の震えと心臓の高鳴りを感じないでしょうか?

 およそ人間の死というものは、風の中に裸で立ち、太陽の熱によって溶けること以上のものでしょうか?

 あるいは、呼吸の停止は、牢獄から飛び出て、宇宙の中を飛び回り、しがらみや妨げなく、造物主に向かって進めるよう、絶え間ない循環から息を解放してやること以上のものでしょうか?

 あなた方は、沈黙の川から水を汲んで飲むまでは、歌を口ずさむことはできないのです。山頂に到達するまでは、山に登り始めることはできないのです。大地があなた方の身体の各部すべてを受けとめるまでは、あなた方は踊ることはできないのです」

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