使ってくれという、力を使わず、知識という力を使い、人を遣う。そのロジックに多面の書物を読み、消化し作品に盛り込んでいる。
こういう作品は総じて、『ご都合主義』となりやすいが、この作品は『ご都合主義』そのものを排除しているのが凄い。
説明(地の文)もくどくなく、またかといって堅苦しくないため読みやすい。
なにより、主人公がヒロイン至上主義で無いこと、そして、力でなびかせるのでなく、心を動かし落としているところも素晴らしい。
さらに、サイドキャスト陣も被ることの無い個性派揃い、ゴールデンウィークを費やして一話から一気に読んでしまいました。
あえて言うなら、こういうしかない。
『もげろ』と。
そして、追記をするならこう書くしかない。
『続きはよ!』で、ある。
はっきり言います、時間がある時に読むことをお勧めします。
理由は、『続きが気になって、睡眠時間を削る』事になるからです。えぇ、気がついたら日が上ってた、が普通に起こります。
なので、自制心を試される事になります。お気をつけ下さい。
まだ3章に入ったばかりの所までしか読んでいませんが。一気に読み進めてもまだ300話以上読めるんだというワクワク感しかありません。
きっと作者の方は異世界転生が好きでたくさん読んできたに違いありません!「そうであって欲しい・・・・」
ことごとくテンプレを避けて、神のようなものに立ち向かう姿、そしてその行動さえも神の意思のもとに操られているのではないかと立ち止まって思考するのも面白いです。とはいっても、基本明るい話で魅力的な変態達が場を盛り上げているのも笑えます。これからどう展開するのが楽しみです。
チート転生者が定期的に送られてくることで人任せ体質となり進歩が止まった世界。そんな不完全な世界を作った神と戦うために与えられたチートを全く使わずに、人任せにしない世界を作ろうと動き出す。それこそが主人公の刃。
「でも、俺の刃はアンタまで届く」
このセリフが超かっこいい。
この物語は一見内政チート俺TUEEEにも見えるが、根本的に違う気がする。
安易なチート転生者によって停止した世界と停止させた神、その両方と戦う物語なんじゃないか。戦うために必要な「武器」として、主人公は与えられた力は使わず、自前の知識と能力と経験値、さらには自分の命までかけて戦っていく。チート転生者を相手にしても与えられた力は使わない。使わないことを最大の武器として戦う。このあたりが超かっこいいと思うんだよ。
なんかやや辛口レビューが多めな気がするけどもっと評価されるべき作品じゃないか。だってこれ面白いでしょ?
内容はいわゆる内政チートモノでしょうか。
世界観的には『転生して俺TUEEEを望む世界を、冷めた目で進む主人公の物語』です。
ただ、これはやっちゃダメでしょ的な設定が入っちゃったせいで全てが破綻してます。
世界は使徒が望むイベントを意識無意識に関わらず用意してしまう。
そして、主人公がそれを認識してしまった。
もうこれだけで物語なんて成り立ちません。艱難辛苦何があろうと、全てお膳立てされたご都合主義でしかなくなります。
あと、使徒に頼らなくて良い場所が欲しいと言って、国?領地?を作ってますが、今その場所にいる人達は元々あまり使徒に頼らないで生活していた人達ですよね?
わざわざそこに使徒である主人公が出向き、内政チートかましてるのは矛盾してませんか?