一気にノスタルジーの彼方へ
- ★★★ Excellent!!!
タイトルを見、数字だけのエピソードタイトルが2つ並ぶ様を見て、グッと雰囲気を予感させる。
読み始めよう。
冒頭3行で一気にノスタルジーの彼方へ物語を引き込む手腕。
そこは、色褪せた『茜色』の世界だ。
積み重ねた歳月と、ゲームの中でだけ巻き戻せる時間。
鮮やかに甦る情景と、抱き続けた感情。
嗚呼。
しかし、二人の間に咲く花の。
ひまわりではなく、ルドベキアの花に裂くことの。
何と。
世界はちょっぴり残酷で、切ない程に公平なのであろうか。
胸を鷲掴みにされるように心に届く筆圧——リアリスティックだ。