良い意味で裏切られた、とても愛らしい魔女でした

レティラの森にすむジゼルは魔女の末裔であり、人々から恐れられていた。
そんなジゼルが、森で傷ついた騎士、エドゥアールを助ける所から物語は始まる。

人々に忌み嫌われる魔女の存在。あらすじを読んだ時は、切ない胸の痛みと共に森でひっそりと生きる魔女を想像していたのですが、彼女──ジゼルは本当に可愛らしい!!
苦い薬を味見してうぇぇとなったり、エドの服の染み抜きをしようとして失敗したり、代わりの服が無いからと女物の衣服をエドに着せちゃったりと、ちょっぴり天然な性格だけども、どんな時も一生懸命で心優しい彼女に、金獅子と恐れられたエドの心が癒されていくのは当然でしょう。

ジゼルもまた、自分が傷つかない為に「魔女であるから仕方がない」と受け入れていた心の寂しさを認め、彼に想いを寄せるようになります。

この二人の関係は長編でじっくり読みたい所ですが、短編で綺麗にまとまっているからこそ、語られない部分に想いを馳せる楽しみもありますね。

さくっと読める美しい恋愛小説、とてもおすすめです♪