新 新宝島

作者 六葉翼

75

26人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

文章力に、作品の構成力、中身、深さどれをとってもピカイチの深さがあります。

読み手に人生について深く考えさせる、凄みがありました。

前編だけみたら、コロナ期間だから時期的にと思いましたが、後編みて、良い意味で予想を裏切りました。

かなりの傑作ではないでしょうか。

是非皆様一読してみてください。

★★★ Excellent!!!

 読んでいて、まず目に止まったのは林業のくだりだった。実は、ごく間接的に真似事でそれに接触したことがある。もっとも事務方としてだが。流米単価が半額近くになるとあってははなから勝負にならぬことは明白だろう。実質的な棄民ならぬ棄業政策だ。
 そんな話を延々と前置きしたのは、本作が『人』なるものを徐々に捨て去っていく過程が克明に描かれているからだ。それも、母の愛情という観点から。
 左様、血液に反応する石でできた特別な仮面をかぶったり、生きている人間の脳を本人の目の前で自分が洗脳した恋人と一緒に食べたりせずとも人間は辞められる。
 なんとも異様な迫力を持つ怪作であった。
 必読本作。

★★★ Excellent!!!

畢竟、生きることとは、何だろう?

最も身近で最も重要なその問いを、この物語は何度も何度も、私に問いかけてくれた。生きることとは、何だろう。

現実と、仮想。
理想と、現実。
有益な存在を育むシステム。
有害な物質を締め出す空間。
私達は、疑問を感じながらもそれを、享受してきた。
しかし。
生きることとは、何だろう?

スチーブンソンの作品、『宝島』。
人々はこの作品を当初熱狂的に支持して迎え入れた。ところが、出版直後に『有害図書』のレッテルを貼り締め出してしまう。
『有害図書』となった『宝島』。
100年近くも間、子供たちはこの本を読むことを禁じられてしまうのだ。
でも。
子供たちは、そこに面白いものがあれば、その匂いを必ず嗅ぎ分ける。
どれだけ禁じられ金庫に仕舞われたとしても、必ず、鍵を開けてしまうのだ。

・・そのような力が、備わっているから。


主人公は、母として、妻として、ひとりの女性として、矛盾を抱えつつも生きることを諦めない。
世界がディストピアの縁へと向かっていたとしても、彼女は世界を投げ出すことはしない・・・


一気に読んでしまいました。読み終わったとき、鳥肌が立っていました。
日常を切り取るような自然な導入。コロナウイルス騒ぎを思わせる、現在進行形的な「日常」。
・・でも、何かが、おかしい。
なにかが、歪んでいる?
そう思った時には、もう後戻りできません。
一気に、不穏な世界へと引きずり込まれてしまいます。

・・いや、これ以上は、やめておきましょうね。

是非、ご自身でお読み頂くことをお勧めします。

面白いです!
超!おススメですよっ!

★★★ Excellent!!!

現実と虚構をゆらり行き来する絶妙な語りは作者様の十八番。

スティーブンスンという偉大な作家を軸に、今世界を覆っている状況がフィクションを交えながら描かれます。
様々な読み方が出来る懐の深さも持ち合わせている本作は、改めて物語という物の素晴らしさを教えてくれる気がします。

今、この時期に読めて良かった作品でした。

★★★ Excellent!!!

第1話、小学生の視点でウイルス後というか、ウイルス中の世界が
描かれます。
謎っぽく話が進められてゆきます。
式日という行事に向けて。

第2話、お母さんに視点が移り
お母さんの半生がすこしづつ描かれてゆきます。
スティーブンソン「宝島」の話も出てきます。

本編が終わって、エピローグへ突入。
お母さんの思い、わたくしにはなかなかの狂気に
思えました。