華氏451度に通じる危機感

前半が現実的であったのに対して後半は進むにつれて幻想的に感じました。
まさに語り部である「母親であり妻である女性」が見ている夢の様に…もしくはもはやAIが見ている夢?
そして物語は淡々とした中でかなり色々なものを痛烈に批判しているのが印象的でした。シュプレヒコールなんてまさか今の時代の小説の中で聞くなんて!
何はともあれ面白かったです。
なんか長い旅をして来たような感じです。
それから『宝島』スティーブンスンの使い方は、まるで海外の小説の様でした。例えばウンベルト・エーコの様な。アメリカ文学というよりはヨーロッパよりですね。
そんなものを感じました。
あ、あと石坂啓の漫画は読んだ事があるでしょうか?
本作はそれに近い警鐘を感じましたw