遥かなり、我がふるさと

ドッカーン、ダンダンダン。
ロケット弾が飛び、銃弾がレクサスを襲います。
街中を抜け出しフリーウェイへ。
先回りの道路封鎖。
ロケット弾と手榴弾。
閃光、爆発音、爆風、煙、ガラクタと化したバリケードのトラック。

セージとエミリは暗殺に失敗して逃亡しています。
凄腕の暗殺者のはずが、お互いあまり暗殺に向いていないよう。
最後はピンチに陥ります。

　いきなりの逃走劇から始まる本作。
　カーチェイスからの銃撃戦ではあきたらず、ロケットランチャーまで飛び出す始末。
　ゆうすけ様のコメント返信を頼りに調べて見たところ、バイクの男性の武器は、有名なＲＰＧー７、エミリさんの武器は不明ですがＡＴ４かな？
　バイクの男性の方は威力弱い？　いえいえいえ、45枚の防弾ガラス(厚さ400mm)を貫通し、最先端の戦車でも、装甲の薄いところを狙えば、行動不能にする威力があります。
　なお、ＲＰＧー７は、日本の番組(どうも『トリビアの泉』っぽい？)での実験では100mmの防弾ガラスを貫通しなかったようですが、これは実験に何らかの不備があったという意見が多いです…続きを読む

　車、拳銃、タバコ、そして故郷。スカッと気持ちいいハードボイルドなアクションと、ぎゅっと濃縮された人間味にホロリときます。疾走感あふれるワンシーンをぜひ！

さらりと読めるのにすごくかっこいいです。
頭の中にテールランプ散らしてアウトバーン疾走する車が見えます。
思わず某社のHPでモデルを見てしまうほど。

銃撃戦の合間に車内で交わされる郷愁。
ハリウッド俳優に演じてもらいたい感じです。

こちらの短編の魅力は、なんといっても登場人物の「生き様」が見えるところではないでしょうか。
久しぶりに胸のすくようなハードボイルド小説を読ませていただきました。
短編でこの世界観を作り出してしまう作者様の力量に脱帽です。
お薦めの小説です。