概要
現実に鬱屈している人へ
主人公の魅希(みき)は現実に鬱屈していた。人間関係、仕事、自分に。息が吸いづらい感覚を感じていた。自分を取り巻く環境が変えたくても変わらない、変えられない。
ある梅雨の日、友達だと思っていた人から告白されることで魅希のすべてが崩れ去る。
タイトルの〈春鬻ぎ〉とは〈はるひさぎ〉と読み、〈春を売る〉という意味で売春という意味になります。
ある梅雨の日、友達だと思っていた人から告白されることで魅希のすべてが崩れ去る。
タイトルの〈春鬻ぎ〉とは〈はるひさぎ〉と読み、〈春を売る〉という意味で売春という意味になります。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!変わるのが怖い彼は、自分をごまかして生きる
この小説を読んで、深夜の中「これだ!」と叫びたくなるようなBL小説を見つけたとして、私は内心嬉しくなった。
鬱屈した日々の中で生きていると思っている主人公だが、彼は女装して春を売ることで自分というアイデンティティをごまかしている。いや、否定している。
自分が大嫌いなのだ。女の子になって、性別ごとごまかして別の誰かになろうとしている。
なんというか、オルター・エゴというやつだ。そんな中で同僚は主人公の本名を知らないし、読者である私も知らない。
だが、それでいいような気もする。本名を知ったら本物の誰かとの関係性も、ごまかしの上で成り立っていた関係性も全て別人格から見てしまうからだ。
私は彼が自分…続きを読む