ありきたりな「ジュテーム」ではない。

直球で泣かせに来る短編としては、ありふれた、どこにでもあるような作品と言えます。
身近にいた人がいなくなくる寂しさを知っている人には、賛否別れる作品となるでしょう。

しかし、ラブレターであると書いていながら、「ジュテーム」ではなく、「セ・シ・ボン」という言葉を選んだこと。それが、この作品の全てであり、柔らかいながらも芯のある作品として成り立たせています。

自分も書く側として、言葉の選び方、それの持つ力を、まざまざと見せつけられたような気がします。