【12-19】英雄から軍神へ 上
【第12章 登場人物】
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【地図】ヴァナヘイム国
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ヴァナヘイム軍総司令官・アルベルト=ミーミル大将の王都滞在は、わずか3日間であった。
バー・スヴァンプで、軍務省次官や階段将校たちといった気の置けない仲間と食事をしたほかは、猛きことヴァ軍随一の奥方に首飾りを届けただけであった。
【10-4】 猛訓練 上
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【10-12】 ネイル
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ミーミルは、臨時汽車でノーアトゥーンから前線のトリルハイム城塞に戻るも、ケルムト渓谷に閉じこもってばかりはいなかった。
帝国軍右翼を撃破後、同本軍との決戦を回避した彼だったが、積極策を捨てたわけではない。
谷底にいれば、いつまでも守り切る自信はあったが、「引き分けに持ち込む」という軍務次官との約束を、彼は愚直に守ろうとしたのである。
【4-8】消し方 中
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ミーミルは、各所に斥候を走らせ、帝国の備えが薄い陣営を見つけるや、渓谷から兵馬を繰り出し、それを打ち破った。
師団規模の指揮官不足という厳しい台所事情もあり、彼自身も幕僚たちとともに再三にわたり最前線にその身を
いずれもヴァナヘイ軍が完勝を収めたエレン郊外での夜襲合戦やケニング峠での
【11-4】夜襲 ①
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【12-9】ケニング峠の戦い 1
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王都・ノーアトゥーンに向けて北上を続けてきた帝国軍は、一転してじりじりと南へ押し戻されていく。
こうして、ヴァナヘイム軍は、イエロヴェリル平原に点在する諸都市を1つ1つ奪還していった。
そして、局地戦を次々と制した勢いそのままに、9月21日、ヴァーラス城にもミーミル家の戦旗「咆哮狼」が
その鮮やかな手並みは、新聞各社によって五大陸に紹介された。
この城塞は、ヴァ国の「反撃の象徴」として、連日朝夕とも紙面を賑やかし続けたのである。
「帝国軍が引き揚げていきまーす!」
観測兵が双眼鏡に目を当てながら、興奮をともなった大声で、レンズ越しの状況を報告する。
10月に入り、さすがに残暑が落ち着いた頃、ヴァナヘイム軍の勢いはいよいよ盛んになった。
ヴァーラス城以南は、早々に帝国に占領されていたこともあり、幸か不幸か鉄道網は健全なままであった。
そのため、兵馬や物資が効率よく輸送されていき、アルベルト=ミーミルの立てる作戦は、いよいよ冴えわたったのである。
【作者からのお願い】
この先も「航跡」は続いていきます。
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【予 告】
次回、「英雄から軍神へ 中」お楽しみに。
「オラ、どけっ」
「悪臭で飯を食う気にならんわ」
「初修調練も満足に受けていないヤツらが、デカい面をするな」
特務兵たちは、いつもどおりそこかしこに車座になり、食事をとっていた。地面に置かれた彼らの皿を下士官の集団が蹴倒して歩いて行く。
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