ふたつの女の愛憎が交差する、恩讐の彼方の救いのないうたかたの復讐劇

愛と憎しみが混濁した争いって惹かれます。愛が深ければ深いほど、憎しみも深くなり、邂逅の刹那に燃え上がって燃え尽きる。
争いにいたるまでの設定もこっていて、血まみれの愛憎劇が盛り上がりました。殴った手の痛みが伝わってくるようでした。
ラストも素敵です。

たいしたことではないですが、1点気になった箇所があります。ふつうの状態だと自分の血を温かいと感じることはないと思います。体温と同じ温度で外気に触れると温度は下がってしまうので。顔や背中などで大量の出血をしていても自分では気づかない(痛みは感じてます)ことはよくあって怖いです。痛い箇所を触った手が血に濡れているのを見て初めてわかる。