「群青の向こう側」に思いを馳せる遠未来SF

閉じた世界と外に憧れる少年、と言えばSFの鉄板モチーフのひとつでしょう。
少年期のアンバランスな心と歪な世界の在り方がリンクして、狂おしい焦燥を感じさせます。

この都市ではきっとありふれた鬱屈。程度の差はあれ多くの大人が経験していて、だから深刻に顧みられることもない。少年の感じるもどかしさはいかばかりか。

この海底に住まう人々、往来に差す人造の陽光、在りし日の世界を今に伝える博物館、都市を覆う群青……想像して、ふり返って、物語の短いのに驚きました。
これから描かれる空間と時間の奥行きに、期待せずにはおれない作品です。

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