雪に一輪の花を添えて

サクサク物語が読める小説のことを『サンドウィッチ小説』と読んでいるのですが、クリームを挟んだサンドウィッチに蜂蜜を塗ったようなこの物語は実に素敵です。
女は男を愛している。それなのに男は女を拒絶する。
「どうしてか？」と疑問に思うのですが物語を読むとその理由が分かります。
彼女の病み具合が最高にいいシチュエーションを醸し出している。
また読みたいと思える一作です。

手に入れられないのなら、障害を取り除けばいい。
愛ゆえに狂気に走った主人公、読みごたえがありました。
奇行に走った時、そしてラストシーンで彼女は何を想い、何を考えていたのでしょうか。
それを読み解くのは「あなた」だ。