突然の死を笑う

 「なろう小説〜うっかり人を殺したら」を読み、もっと早くガッKoya小説に手を出さなかったことを悔いた。当然、前作である「学校のデッドリー怪談」に飛びついた。

 この二作は対照的だ。「うっかり」は、人の善性が罪業を負った常識人の主人公を苦しめる。一方の「デッドリー」は、怪異に晒される主人公らや周囲の人物を通して人間の嫌なところが見えてくる。そしてどちらもサイコーに笑える。こんな酷い話を笑っている自分は何なんだ?というスパイスも添えて。

 思わず唸ってしまうような設定のシュールな怪異を、断じてハッピーエンドではない形で雑に解決する。人が雑に死に、雑に笑える。ちゃぶ台返しやテーブルクロス引きの失敗を見るような美しさ。作中人物はみな倫理観は終わっているが筋は通っており、彼らのリアクションはブラックジョークとして完成している。このフォーマットはバランスを誤ると理屈っぽさが鼻につく下手な漫才のようになってしまうだろう。それを3エピソード綺麗にまとめたガッkoyaさんの手腕が見事だ。それぞれの怪異の導入部が怪談としてマトモに怖いというのが効いている。

 今は「うっかり人を殺したら」の連載中だが、本作も完結扱いにはなっていないし、作者さんもTwitterで「書けたら書く」と仰っている。今のあの最新話で終わり、というのもギロチンで切ったようなキモい爽快感があり悪くないが、ガッKoyaさんがまた良い怪異を思いつかないかなと期待したりもする。