祖父の代から続く映画館。少年の父が上映している映画を主人公の少年も見ていました。彼が一番好きな映画は……。お母さんに戻ってきて欲しいために幸せの黄色いハンカチを買うために努力する主人公がいじらしいです。時は移り変わり、少年は大人へと成長しました。黄色いハンカチは手に入りませんでしたが、主人公はちゃんと手に入れたものがあります。ラスト、読者の心の中に広がるのは、きっと同じ光景でしょう。心温まるお話です。
児童文学のような少年の語りで始まる本作。児童文学賞に出したら受賞するのではと思いました。内容は大人にも響く、郷愁と切なさと、それでいて優しくて温かいものが混ざったお話。すぐに読めます。この短さでこの内容。お勧めです。
古い映画館。お母さんがいなくなってしまった主人公の男の子。ある映画を見てお母さんが帰ってきますようにと願いを込めて、黄色いハンカチを用意しようとする。そして、大人になって…。こちらの作者さんの温かい人柄が文章に溢れています。お日様の様な優しい作品で、温かな涙を思い出しませんか?
父さんと僕は、夏休みに入ってからこの映画館で毎日過ごす。父さんはこの町唯一の映画館で古い映画を上映するのが仕事だ。昨日から始まったばかりの映画に僕は釘付けになった。映画に出てくる黄色いハンカチ。思い出される思い出。心温まるストーリーでした。文章のタッチも軽快で、この話にあってました。
少年から大人に。一人の人生を、その成長を、二千字に満たない文字数で表現されています。ハンカチさえあれば……信じて、裏切らて、怒りも覚えて、許して、それからの後編だと思います。短い文章でそこまで匂わせるのは凄いと思います。皆さんもぜひ読んでみてください。