繊細かつ大胆! それが魅力なダークファンタジー。

 この物語独特の狂気を孕んだダークネスな雰囲気が好きな方なら、まず面白く読み進めていけると思います。
 好みが分かれるかもしれませんが、天使と悪魔、善悪や、正義というものの基準はどこにあるのかなど、そんな色々考えさせられる話が出てきて、それらのテーマが肌に合う方は、すぐこの物語が奏でる旋律の中へのめり込んでいくことができるでしょう。

 またこの作品の特徴として、話における一つひとつの単語の選択や、文字の配置と、ルビの振り方がすごく精微を尽くした感じで、趣向を凝らした印象を受けました。
 物語を視覚的にも楽しめるような工夫(行間を空けたり、文字を散らばめたりと)が凄いことになっています。

 そして度々、こういうふうになるのではと思ったところを、読み手の予想を裏切って別の方向へと話が向かっていくという……飽きさせない話の展開もまた魅力の一つで、これからの話がどこへ進んでいくのか期待感が膨らみます!

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