第5節。痩せたければ有酸素運動?
7200kcal
これは人間の脂肪を1kg分落とすために必要なエネルギー量です。つまり単純計算すると、7200kcalを削減することができれば、あなたは1kg分の脂肪を落とすことができます。
前節までは食事の話でした。食事管理の方法は既に記載したので、それを実行してください。あなたは痩せます。
今回は運動について述べていきます。
痩せたいなら有酸素運動! とか、筋トレは痩せる! とか色々聞いたことがあると思いますが、どれも正解です。消費カロリーを大きくできれば痩せます。食事で摂取カロリーを減らすのも同じ理屈ですね。
しかし実は効率の良い運動と良くない運動があります。恐らく大半の人は痩せよう! と思ったとき、効率の悪い運動の方を選択するので、これを読んで、やるべき運動を確認しましょう。
約3000kcal
これが何を表す数字かというと、中肉中背の人がフルマラソンを走破する際に消費されるおおよそのカロリーです。
これを多いか少ないか、どう捉えるかはあなた次第ですが、4、5時間かけてフルマラソンを走って、あなたの脂肪が落ちる量は0.5kgです。
約220kcal
これは中肉中背の方が、ダンベルやバーベルを用いた高強度の筋力トレーニングを30分間行ったときに消費するおおよそのカロリーです。30分なので、だいたい6〜7セット、2種目程度でしょう。
筋力トレーニングをフルマラソンの時間に合わせて5時間とした場合、消費されるのは2200kcalなので、どちらが消費カロリーが大きいかは一目瞭然ですね。
しかし、だからダイエットに効率の良い運動は有酸素運動! というのは、早とちりかもしれません。
ダイエットの基本は、消費カロリーを摂取カロリーより大きくすることです。この図式が成り立たない限り、絶対に痩せることはありません。
消費カロリーを大きくするには運動が効果的です。でも、運動をしている時間としていない時間って、一体どっちの方が長いでしょうか。
フルマラソンを5時間かけて毎日走ったとしても、毎日19時間は運動していないことになります。
もしも、このなにもしていない19時間でカロリーを大量に消費することができれば、もっと効率的に、もっと簡単に痩せられると思いませんか?
それを叶えてくれるのが、高強度の筋力トレーニングなんです。
生物学的に考えていきましょう。
人間が食事を摂り体に蓄えることができるカロリーは、一般的に1500〜2000kcalと言われています。
マラソン選手は非常に細い方が多いですね。筋骨隆々のマラソン選手はあまり目にすることがありません。なぜかというと、あのすらりとしたアスリート体型は、体に蓄えられる分以上のエネルギーを消費する、尋常ではない運動量に耐えられるように究極の省エネ化が行われた結果なのです。
省エネ化が行われると、その名の通り消費カロリーが小さくなります。そのため、有酸素運動を突き詰めると、結果として痩せにくい体が完成してしまうのです。
できるだけ少ないエネルギーで長い距離を走り続けることができる効率的な体が出来上がります。
その逆をいくのが、高強度の筋力トレーニングで作り上げるボディビルダーの体です。プロの領域の彼ら、彼女らは3000kcalの食事ですらモリモリと痩せていきます。1日3食カツ丼を食べても足りません。
ボディビルダーはあのとてつもない筋肉量の影響で、寝ているだけで消費するカロリーが常人の比ではないそうです。そのため、運動をしていない時間でも、筋トレをしていない人に比べて多くのカロリーを消費し続けることになります。
マラソン選手とボディビルダー、両極端での比較ですが、体が向かう方向は同じです。
つまり、例えばあなたが一週間で10kg痩せないといけないという状況でもない限り、1時間の有酸素運動をダラダラと行って疲れを溜めるよりも、30分の筋トレをメリハリをつけて行って筋肉を大きくした方が効率的に、簡単に、楽チンに痩せられるのです。
ダイエット概論 きゃのんたむ @canontom
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