第2節。「食べない」のリスク。
□本節で述べていること
・絶食、過度な食事制限はリバウンドを必ず引き起こす。
・リバウンドが必ず起こる理由、仕組み
□□
簡単に体重を落とす方法があります。それは「食べない」という方法です。人間は1ヶ月程度であれば食べずとも死なないそうです。
1ヶ月食べなければ、理論上は10kgの脂肪を落とすことが可能です。(計算方法を後節で記します。)
ただしそんなダイエットは無謀です。1ヶ月後に食べてリバウンドするか、そのまま栄養失調で死ぬでしょう。
またリバウンドというのは絶食せずとも、過度な食事制限を行うとほぼ確実に発生します。
「私なら食事制限の後でも食べ過ぎないから大丈夫」……実はそういう問題ではありません。リバウンドは(恐らくあらゆる)生物の遺伝子に刻まれた生存戦略のひとつ、いわばもはや物理法則に近い現象なのです。
大学在学時にラットを用いて絶食に関わる実験を行いました。実験では2匹のラットを用いました。一方はこれまで通り食事を与えるラット、もう一方は1週間絶食させるラットを用意し、実験開始から1週間後に解剖し、それぞれの個体の各種臓器の重量を計測しました。給餌されたラットと絶食したラットの比較を行うと、もちろん絶食ラットに関してはありとあらゆる臓器の重量が減少していました。
つまり、食事制限を行うと体組織の全てが小さくなるので、脂肪ではなく、内臓や筋肉など体の組織として利用される量も当然少なくなります。
そうすると「通常量の食事」ですら「キャパオーバー」となり、キャパを超えた食べ物は「脂肪」として蓄えられます。そして一度絶食を経験した体は、次なる絶食、つまり生命の危機に備え
フィジカルとメンタルを追い込む過酷な食事制限から解放されて2週間後に完成するのは、小さな臓器、小さな筋肉で大きな脂肪を蓄えたブヨブヨで張りのない「省エネ型」の身体です。
これがリバウンドのメカニズムであるため、食べ過ぎないから大丈夫とかいう問題ではないのです。通常の食事ですら太る原因になってしまうのですから。
そのため正しく、健康的で、一番無理の無いダイエットというのは「食べない」ことではなく「食べる」ことなのです。
それでは次節では「食べる」ことについて解説していきます。
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