第3節。「食べる」方法。
□本節で述べていること
・ダイエットとは食べないことでなく、正しく食べること。
・カロリー管理ではなく「PFC」の管理が最も重要
□□
ここからが、実際のダイエットの話です。
ダイエットを進めるにあたって避けなければいけないのが「食べない」ことであると、前節で説明しました。
では痩せるために「食べる」といっても、もちろん何を食べてもいいわけではありません。食べると太るということも事実であるからです。
イメージをしてください。
真夏の早朝に、バケツに水を張ります。バケツはあなたの体で、水は食事です。水は放っておくだけでどんどん蒸発していきます。夜に仕事や学校から帰ってきて水がまだたくさん残っていると、それは水の入れ過ぎです。帰ってきた段階ではほんの少し残っていて、翌日の朝にバケツを覗くと水滴だけが残っている。これが理想の水量です。
一日で使い切る量というのが大切なのです。
その量というものの一番わかりやすい指標が、そう、「カロリー」ですね。
カロリー、カロリーと口々に言いますが、ではカロリーとは一体なんなのでしょうか。熱量と言ってしまえばそれで終わりですが、ここではダイエットに必要な知識としてのカロリーを解説します。
昔はいちいち食品を燃やして、その燃焼で水を温めて上がった温度から計算して、導き出される熱量をカロリーとして設定していました。
ただ、現在はもっと明確に、体重の増減と直結して考えられる方法で算出されています。
それこそがマクロ栄養素、本「ダイエット概論」における最重要事項である「PFC」の含有量です。
PFCとはなんでしょうか。難しいものではありません。
Protein(タンパク質)、Fat(脂質)、Cabohydrate(炭水化物)の頭文字を取って、PFCと呼んでいます。
このPFCの考え方があれば、世に蔓延るさまざまなダイエット法が本当に効くのかどうかがある程度判断できるようになります。
では、このPFCはなぜそこまで大切なのでしょうか。ダイエット中にきちんと「食べる」ためには必ず必要になる知識なので、しっかりと覚えてください。
Protein(タンパク質)は4kcal
Fat(脂質)は9kcal
Carbohydrate(炭水化物)は4kcal
これは各種PFC 1gあたりに含まれるカロリーです。
なにを食べて良いのか、なにを減らさなければならないのか、これを見ると一目瞭然ですね。
例えば100kcal減らしたいとき、炭水化物であれば25g減らさなければならないのが、脂質であれば11gで済むのです。質量にして2倍の差があります。
具体的な例で言うと、炭水化物25gは6枚切りの食パン1枚分相当、脂質11gはサラダ油大匙1杯分、つまりフライパンに敷く油1回分です。
朝食の食パン1枚を減らすか、油を敷かずに焼くもしくは蒸し料理に変える、簡単な方で良いのです。単純にこれだけで100kcalをあなたは減らすことができるのです。
これが、「食べる」コツです。
ダイエットに必要なのはカロリー計算ではなく、PFC値の計算なのです。
PFCさえ管理できれば、ストレスなく、あるいは好きなものでもお菓子でも食べることができます。
PFCの管理こそが、食べるコツ、ダイエットの真髄です。
では、次節ではPFCをどうやって管理するのか、どうやって食べていくのかを記します。
次節を読んで、ダイエットを理解できれば、あとはもう実行して痩せるだけです。
もう少しだけ読み物にお付き合いください。
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