私はこれを……縁《えにし》と呼びたい。
- ★★★ Excellent!!!
全体的に、無理のない展開になっていると思います。
一矢報いる為に猟師の名を借りているとも思えるクレフさん。
私の好みの綺麗でいて悩める女司祭、シャルさん。
そして、謎の少女ミラさん。
この三人が主軸となっております。
物語のテーマは何だろうかと思わざるも、『因果』と言うキーワードがはっきりと打ち出されていて、分かり易いです。
結局は、その『因果』という名の『縁(えにし)』に、それぞれの思う所があったようです。
剣よりも魔法の面で語られている点は、神聖な感じと魔的な感じが表れていて、とてもいいと思いました。
敵は、魔のモノと一瞬は思いますから。
『因果』であっても、妬み、嫉みと言っただけもものではなく、作中、街をも動かし、宗教をも考えさせられました。
『親子』、『友人』、そのキーワードも散見して、バランスがいいと思います。
人などの名前の持つ意味も成程と思いました。
描写は、動きが程よく、会話文も挟んで、文体としても読み易いと思います。
キャラクターの話で言いますと、作者様の『東の国の呪術師たち―纏繞の人々―』の萌花さんの次に、本作のシャルさんが好きです。
最初に居たシーンにシャルさんが、ほぼ終わる頃に戻るとき、わくわくしました。
一番目立っていたのは、ミラさんかなとも思うのですが。
ラスト、微笑ましく終わって、気分は、ほかほかです。
よい物語をありがとうございます。
是非、ご一読ください。