002 誰も望まない命

葛藤は飲み込んだのか。その命の前では戸惑いを隠した2人

見返りを求めない愛を注ごうと誓ったいつかの日

生まれた歪な命を育んで

削った心は誰も知らない

それでも知っている。

一歩その子が社会に触れれば、投げつけられる無数のつぶて

誰にも何かを与えることの出来ないこの命は嫌悪の対象

逃げ返る小さな命は何も知らずに2人の元へ

外の世界へ怯える日々。引きこもる安らぎの巣。

永遠にそこにあると思ってた。永遠にそこに居ればいいと思ってた。

当たり前に自分は誰かに愛される権利があると信じて。


静寂ばかりの静かな部屋に一人。

かつて自分を包み込んでくれた優しさは小さな骨壺の中。

もうここに蹲っては居られないね。

外の世界に味方はいない。

誰にも望まれない命。

それでも生きてゆけよ。

それが死ぬより残酷な運命でも


見えないように見えて、その眼は何かを捉えてんだ

心がないように見えて、ちゃんと苦しみは感じてんだ

誰にも見えないその世界を、ちゃんと守って生きてゆけよ

いつか誰かの目に映るまで

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障害ある命の詩 羊毛文学 @utakata1991

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