概要
いつか会えるのかもしれないあなたへ
小高い丘の上にそびえ立つ一軒家にひとりで住む「彼」の元には、不定期に不可思議な絵はがきが届く。それは彼とほんの短いひとときをともに過ごした大切な「友人」からのものだという。
2017年に発行の主催アンソロジー「さよなら、おやすみ、またあした」に掲載した作品を再編集した再録作品です。
2017年に発行の主催アンソロジー「さよなら、おやすみ、またあした」に掲載した作品を再編集した再録作品です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!愛すべき迷子たちの、静謐なるおしゃべり。
分を弁えようとする臆病さを持ちながらも、人に委ねたり自分を打ち明けたりすることに躊躇いのない「信じる」を実践する姿(決して自棄を起こしてもいないし投げやりでもない)への憧憬と共に、作品を拝見しました。
タイトルにある「ロストマン」は「迷子」の意味だとして、それは一人だけを指しているのかもしれないし、そうではないのかもしれない。
道に迷うだけでは「迷子」とは言えず、自分を待ってくれる人がいると信じられるから、人は「迷子」になることができるのではないか、と考えさせられました。
例えばヘンゼルとグレーテルは森のなかで道に迷ったけれど、かれらは本来帰りを待つ人がいる「迷子」ではなく、置き去りにされた…続きを読む