君の願いを叶えたくて。魔力持たざる天才少女とおじさまの、異世界冒険譚!

 35歳の日本人転移者と10歳の落ちこぼれ魔法少女が、宝石モンスターを蹴倒しながら異世界をゆく冒険ファンタジーです。

 アルバイト先をクビになった主人公・信弘は、ふらり入った古書店で、黒い外套とフードで顔を隠した奇妙な女性に声を掛けられます。彼女に勧められるまま手に取ったのは『ポラニア旅行記』という文庫本。
 読みにくさとつまらなさに眠気を誘われて、目薬を取ろうと立ち上がった、その時――!?

 シンプルな転移モノに見える導入ですが、物語は深い奥行きをもって展開していきます。
 森で出会った少女・ルルは、魔力を持たない代わりに魔籠と呼ばれる魔法道具作成が天才的な女の子。とある願いのため師匠に認められようと頑張る彼女に強く請われ、信弘はルルの魔籠を使って、宝石をつけた魔獣たちと戦うことになります。
 というのも、日本人であるはずの信弘はなぜか膨大な魔力を持っていて、彼女の魔籠を使いこなせる数少ない人物だからなのです。

 ほんの10歳の少女が焦がれる願いとは。
 ルルと信弘は、それを叶えることができるのか。
 どちらかと言えば厳しい世界に立ち向かい、ユニークな魔籠を使いこなしてゆく二人の行く先には、胸が痛くなるような試練も待ち受けています。ひたむきな少女の意志が光る魔法ファンタジー、ぜひご一読ください。

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