第2話 - ユースケ②

 そんなこんなで高校二年になった。


 祐介は入学して一週間も経たないうちに例のポス○ールで他校の奴と屋上駐車場でタイマンを張ってタイマン中に警備員に捕まり、警察に連行されて学校に通報された。相手は何箇所か骨折していたらしく入院。情状酌量の余地なしで退学した。アホな奴だ。

 それでも連絡は取ってるし一緒に遊んでもいる。


 祐介と遊ぶときは大体祐介の家で遊んでいる。だいたいはスマブラやマ○オテ○ス、トランプか人生ゲームだ。

 俺は中学校時代は部活とゲームぐらいしかやっていなかった人間なので、「ゲームしようぜ」ってなるときが一番キツい。なんでかって?その時は俺が強すぎたんだ。当時はロクヨンのスマブラをやっていたんだが、ピカ○ューだったりサ○スだったり、そういうキャラクターが強いって言われていた時代だ。まぁそれは今のスマブラも一緒らしいけど、やっていないから知らない。

 …それでだ。ゲームのやり込み方でいうとそんな不良みたいな連中に負けるわけがない。連戦連勝だ。

 当然、連中は不良だ。自分の思い通りに行かないと不機嫌になる。そこそこいい勝負を演じてギリギリ負けたり勝ったりを演出するわけだ。これが一番精神的にしんどかった。

 トランプと人生ゲームは運要素が結構強いからな、割と全力を出してもいい勝負ができていたと思う。パターンに入ると無双するので程々に手を抜くこともあったが。そんな感じで学校終わりにわざわざ自転車を一時間ぐらい漕いで祐介の家に遊びに行っていた。


 遊ぶ連中なんだが…まぁ、察してくれているだろう。祐介の友達だ。俺が行っていた高校もそこそこ悪い意味で知名度は高かったんだが、祐介の友達として知り会った奴はピカイチにヤベー高校に行ってたりとか、そもそも高校に行っていなかったりとか、高校に行ったんだがすぐに退学したような連中とか…そういった連中が多かった。


 その連中の中で知り合った女子がいて、そいつがユキっていうんだが…まぁ、その話はまた機会があったらするとしよう。今は祐介とのを話させてくれ。




 でだ、どこまで話をしたっけっか?高校二年になって鮫島祐介とよく遊んでるところか。

 そう、祐介とそのツレとよく遊んでいた俺なんだが、祐介は交友関係がすごい広い奴だった。週に三・四日は遊びに行ってるのに、結構な頻度で知らないやつがいた。もちろん素行が悪い連中なんて当たり前のように「じゃ、仲良しのシルシにタイマンしようぜ」みたいなバカも何人かいた。何度もいうが、俺はそういうバカとのタイマンも全て回避してきた。


「高校生活謳歌してえから勘弁。それにタイマンしたら俺とお前で上下関係出来ちまうじゃねーか。」


 その言葉だけで大体の奴は引き下がってくれた。たまに「チキってんのか?」みたいな感じで収まりがつかなくなる奴もいたが、笑いながら「当たり前じゃねーか、高校生だぞ」と言って逃げたり、祐介が抑えてくれたりしたから俺は高校時代に喧嘩もタイマンもすることなく終わったんだと思う。



 そんな平和で楽しい高校生活だった。


 ちなみに祐介との思い出はここで終わりだ。




 高校2年の秋、祐介は盗んだバイクで暴走、そのまま警察に捕まって少年院に入った。

 最後までアホな奴だった。



 …酔いが回ってきたな。

 他にもさっき話したユキってやつと付き合ってそいつが弩級のメンヘラで、逃げたらボコられた話とかヨソで作った子供を俺の子供にされそうになった話もあるが、それはまた今度話そう。


 じゃあ、またな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

誰も幸せにならない物語 JN-ORB @jnoob

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る