見知らぬ天井で起きたと思った語り部の視点から始まる物語。
彼が起きたのは一年ぶりで、彼は自ら志願して抽選に当選したフルダイブ型仮想現実の被験者であったことを告げられる。
――その人生は決して順風満帆とは言えないもので、逆境に塗れたものだった、ということを。
仮想現実から起きた彼目線ではあるけれど、彼がもう一つの現実でどんな風に一年を生きたのかは読者にはわからない。だから、その部分では主人公と読者の目線はズレていて、それがお話を飽きさせない工夫にもなっていました。
逆境から解放され、これから先、彼に待つのは果たしてどんな現実か。
もしかしたら新たな逆境が未来の彼には待つかもしれない。
あなたならどうしますか。