高校生の主人公が、学校の課題で二十年後の自分について考える機会を与えられたが、考え出したら止まらず、あれもこれも迷っていることを知る中で、ラストは落ち着くところに落ち着きます。
主人公の女性には姉がおり、彼女は自分より似ているけれどももしかしたら追い付けない凄い道をささくれの中から選んで進んだと感じているように思えました。
母親も主人公には高校卒業後に期待をベクトル違いにかけてきているのではないかとも思えました。
だからといっていじけたりする主人公ではなく、自分の信念をしっかりと持っております。
それに、今は十六歳ですから、二十年後といえば他にやり残したことはないかとも考えられており、とても賢く周りをよくみられる素敵な方だと思いました。
そんな彼女に私はとても共感を覚えます。
どんな道でも自分で歩けば、わけいっても輝かしいものが待っていると思うからです。
文体もとても読み易く、没頭できます。
是非、お立ち寄りください。
私は、誰かの人生は物語で、小説や漫画などの物語は誰かの人生だと思っています。
でも、16歳の私は今の自分がどのように生きているかきちんと想像していなかった。できなかった。
だからこそこの物語の主人公は、「20年後の自分」という課題を出されたのだと考えてしまいます。将来目標をはっきりさせることで、生きる目的を見失わないように。
物語には登場していませんが、きっとこの課題を課した先生も人生の中で後悔したことがあったのでしょう。それも未来の自分を想像できなかった結果により。
それで生徒たちに未来の自分を想像するように課題を課したのだとも。そう思わずにはいられませんでした。
いま思えば、16歳は大人にとって花の年。だからこそ主人公ちゃんにはいい課題を出してほしいですね。