事実と創作の隙間を楽しむ

 タグにある通り、ロイ・フォンテーン(アーチボルド・ホール)はイギリスに実在した人物であり、作中で語られる殺人も実際にあった事件がモデルとなっています。
 犯人であるフォンテーンからも被害者であるエリオット氏ほか数名からも一歩距離を置いた俯瞰した語り口は、そのあたりから来る手触りなのだと思います。
 もちろん、ただ事実を並べるのではなく、作者さん独自の補完、あるいは感情の描写と思われるものがあり、どこまでが事実で、どこからが創作だったのか、と思いを巡らせる楽しさがありました。

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