激闘と苦闘の末、
今まさに消え逝こうとしている老兵が、
最後の最期に何を思うのか。
自分が自分である事、
それは今までの経験や想いを内包する事。
それらを誇りにしている者の、
最期の叫びが奇蹟を起こす。
死すら受け入れていた者の激しい拒絶が、
その矜持を物語る。
自身は自身のままでありたいと。
「あー、もう!」から「~聞いちゃったら~」の下りが好きです。
知らない戦友なのかも知れませんね。
望んだ環境ではないのかも知れませんが、
新たな世界での、
ゆっくりした老後の生き方が見つかるといいですね、
と思える結末でした。
まさかこれでこれを描くとは……w
みなさんも是非最後まで読んで見て下さい!
本来なら物言わぬはずの子供向けおもちゃ、その視点から綴られる物語。
の、その晩節というか役目を果たした後というか、いわば「それから」のお話です。
合体ロボのおもちゃが主役のお話なのに、しんみりしたシリアスな読み口なのがもうすごい。
おもちゃの明るく楽しげな印象からすると意外というか、お話そのものはあくまで真面目で、とても読み応えがありました。
侘しさや寂しさがもりもり積もる感覚が魅力なんですけど、同時に「不穏さ」のようなものまで感じさせてくれる話運びが本当に好き。
一体どうなるのか、なにやら恐ろしい末路が待ち受けているのでは、と先を気にさせられるおかげで、ぐいぐい読んでしまいました。
そして、そのうえでのこの結末。
ネタバレになるので詳しくは触れませんが、最高でした。
胸にじんと響く素敵な作品です。