緋色の糸で小指を絡めて、それからは二人でずっと。

 戦後の日本の屋台に、ふと現れた妖艶な女性。それが主人公の霊媒師だ。屋台で噂になっていたのは、ある恐ろしい色気沙汰。何でも、スター役者と子役上がりの娘が恋に落ちたらしい。そして役者は、呪い殺されたという。
 その呪いは相手と契った小指を切り落とすことで、発現する。血で染め上げた緋色の絹糸で相手と契った小指。その小指を切り落とすと、相手の首が落ちるのだという。主人公はその娘を訪ねるが、その娘の姿はまるで――。
 そして現れる怪異。
 果たして、煉獄の呪いの正体とは?
 
 片目に桜幹の怪異を宿す女性霊媒師の活躍を描く短編最新作!

 是非、御一読下さい。

夷也荊さんの他のおすすめレビュー1,172