隻語

深川夏眠

きみの血を


 たった5文字が言えなかった。向こうもきっと、それを望んで期待していたはずでしたが。自制があだになってしまいました。「きみの血を」――。その一言を呑み込んで沈黙を守った結果、彼女は失望した顔で城を去りました。わたしは大切なものをなくしました。



   【即興で書き下ろし超ショートショート「隻語」END@2019/12/10】



*縦書き版はRomancer『月と吸血鬼の遁走曲フーガ』にて無料でお読みいただけます。

https://romancer.voyager.co.jp/?p=116522&post_type=rmcposts

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隻語 深川夏眠 @fukagawanatsumi

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